日本ミシュランタイヤと群馬県の製造企業を中心とするグループは6月25日、日本貿易振興機構(ジェトロ)群馬貿易情報センター、群馬県および前橋市や太田市、群馬大学などと連携し、次世代イノベーションを担うオープンプラットフォームとなる「群馬積層造形プラットフォーム」を設立すると発表した。同プラットフォームは、2021年7月下旬に一般社団法人として稼働を開始する。設立準備には、県内企業を支援するため、群馬県、前橋市、太田市をはじめ、群馬大学や群馬銀行が参加した。なお今後、群馬大学とは、次世代の産業を担う人材育成および専門知識の交流の展開を予定している。
群馬県は世界遺産である富岡製糸場をはじめ、地域資源を活かした多種多様な地場産業を有し、高い教育への関心を背景に明治維新という日本の大変革期を支え、近代ものづくりの重要な拠点として発展。現在は自動車を中心とした製造業が盛んであり、自動車業界に変革をもたらすCASEやVUCAなどの環境変化に対応する必要があることから、高付加価値産業基盤への転換を図るため、県下の産官学が集結し、群馬積層造形プラットフォーム準備委員会を発足した。
前身となる検討委員会は、群馬県下の意欲ある製造業企業が集まり2020年8月に始動し、その後、群馬金属積層造形プラットフォーム準備委員会と名称を変え、参加企業を増やしながら準備を続け、今回、群馬積層造形プラットフォームと名称を改め、本格的に金属積層造形技術をベースにした教育プログラムなどを提供する。
金属積層造形技術は、ミシュランの合弁企業であるAddUp(アダップ)社の機器をミシュランの太田サイト(群馬県太田市)内に設置。併せて、ミシュランは教育プログラムと運用のノウハウを所属企業に開放し、ここで培う新しい知識を基盤に、地域の企業と共に将来的な地域の新産業創出拠点を目指すとしている。
【金属積層造形の一例】
【今後の展開】