ホンダは2月18日、2021年4月に発売予定のクロスオーバーSUV、ヴェゼルのコンセプトと内外装デザイン、主な進化点を発表した。新型車は「AMP UP YOUR LIFE」をコンセプトに、実用性に加え新たな価値で生活の楽しさを増幅(AMP UP=アンプアップ)させるモデルを目指して開発された。
■エクステリア&インテリア
同社独自のマンマキシマム・メカニミマム思想に基づき、センタータンクレイアウトを踏襲し、取り回しのよいコンパクトなボディサイズや、多彩なシートアレンジと荷室はそのままに、力強く美しいプロポーションに進化させた。
ヴェゼルの特徴でもある、クーペライクなプロポーションを際立たせながら、全席で爽快な視野が得られるよう“スリーク&ロングキャビン”が採用された。フロントセクションは、ボディとの一体感を高める同色のグリルを、リヤセクションには使い勝手のよいリヤゲート、ハンドルの位置を造形の中に組み込み美しさと、機能性を両立させた。
インテリア全体では、しっかりと芯が通った“塊感”のあるソリッドなフォルムを重視し、SUVの力強さを表現した。一方、乗員の身体に触れる箇所には、柔らかな感触と形状のパッドを配置。強さだけでなく、優しさも兼ね備えた空間とした。
インストルメントパネル周辺は、ヒューマン・マシン・インターフェイスの考えに基づき、視線移動量の軽減や動線に沿って操作系を配置することで、乗員の所作が美しくなるよう作られている。
この他、SUVとしての使い勝手や機能を高める装備として、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付)や大開口のパノラマルーフ、新設計のエアコン吹出口、ヒルディセントコントロール、静電タッチ式LEDルームランプ等が採用される。
このうち、パノラマルーフには、日差しの熱をほとんどカットするLow-Eガラスが採用され、開放感と快適性を両立させた。また、新しいエアコン吹出口は、そよ風のように穏やかで、頬を撫でるような心地よい風を送り出すという。
■パワートレーン
設定されるグレードは、ハイブリッド(e:HEV)を中心とした4グレード。e:HEVでは、ツートンカラーを採用しアクティブに自分らしさを表現できる“PLaY”を筆頭に、シンプルでもオーセンティックで長く使える上質感にこだわった“Z”と“X”があり、ガソリンモデルが“G”という構成。駆動方式は“PLaY”がFFのみで、基本はFF/4WDとなっている。
e:HEVは、アコードやフィットにも採用されている2モーター式のハイブリッドシステムで、高速巡航時=エンジンの最も効率の良い状態を除けば、エンジンが発電役となりモーターのみでの走行が中心となり、リニアで心地よい加速感が味わえる。
あわせて、三つの走行モード(ノーマル/スポーツ/ECON)を切り替えることで、異なる加速感が味わえる。さらに“減速セレクター”で、アクセルオフ時の減速の強弱が4段階で選べ、状況に応じて様々な走りを楽しめる。
4WD車は“リアルタイム4WD”を採用。特にe:HEVモデルは素早くリニアなトルク発生と、4輪に最適な駆動力配分を行うリアルタイム4WDを組み合わせたことで、様々な道路環境で安定した楽しい走りが提供される。
■コネクテッドサービス
車載通信モジュール“Honda CONNECT(ホンダコネクト)”により、コネクテッドサービスのHonda Total Care プレミアムが利用できる。新たなサービスとして、ナビの「自動地図更新サービス」や、スマートフォンがキーの代わりになる「Honda デジタルキー」、多彩なアプリを提供する「Honda アプリセンター」、車内がWi-Fiスポットになりインターネットに接続できる「車内Wi-Fi」が、ホンダ量産車として初めて搭載される。
■Honda SENSING(ホンダセンシング)
安全運転支援システム“Honda SENSING”は、広角カメラと高速画像処理チップの採用で、従来型より機能がさらに進化・充実した。
Honda SENSINGの11の機能のうち、アダプティブクルーズコントロールは、渋滞追従機能付へと進化。さらに、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビームの三つの機能が追加された。
さらに、クルマを上方から見下ろしたような画像等を、ナビ画面に映し出す「マルチビューカメラシステム」や、隣の車線を走るクルマの接近を知らせ車線変更時の安全確認を支援する「ブラインドスポットインフォメーション」も新たに採用された。
なお、価格や主要諸元は追って発表される。