パナソニックは12月7日、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンにて、小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの実証実験を実施すると発表した。11月から年内にかけて公道での走行検証を実施、2021年2月から実証サービスの提供と検証を行うとしている。同社は、人に寄り添うロボットで新たな配送サービスを提供し、人とモビリティが共存する活気あるコミュニティづくりに貢献する。
拡大を続けるEコマースやフードデリバリーなど新たな宅配サービスの出現により人々のくらしが便利になる一方、それを支える現場では宅配員不足の深刻化に加え、非対面・非接触など新たな生活様式への対応も急務となっている。パナソニックは、人の生活圏にフォーカスしたモビリティのソリューションプロバイダーとして、“人”を元気に、“コミュニティ”を元気に、“地球”を元気にすることを目指している。また、Fujisawaサスティナブル・スマートタウンでは、2014年の街びらき以降、6年間にわたる街の運営を通じて、住民の皆様や共創パートナー、自治体とともにくらしの価値向上に取り組んでいる。
今回の実証実験では、これまで開発してきた自律走行ロボットや自社構内でのライドシェアサービスで培ってきた技術やノウハウを生かし、街の住民と対話しながら新たな配送サービスの実現に向けた取り組みを加速する。
なお同取り組みは、国の成長戦略実行計画(令和2年7月)における低速・小型の自動走行ロボットの社会実装に向けて遠隔監視・操作型の公道走行実証を実施するとの方針を踏まえて実施する。パナソニックは、経済産業省が主催する「自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会」へ参画するとともに、本研究開発および実証活動の一部は、NEDO「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」の補助を受けて実施すると述べている。
Fujisawaサスティナブル・スマートタウンとは、神奈川県藤沢市のパナソニック工場跡地にて、パナソニックら18団体・藤沢市が参画するまちづくりプロジェクト。2,000人超がくらしを営むリアルなスマートタウンとして、持続可能なまちづくりに取り組むとともに、街に関わる企業・自治体・住民などが共創する仕組みを導入し、新しいサービスの創出を通じて、社会や地域の課題解決を目指している。
【住宅街向け配送サービス実証実験概要】
<フェーズ1>自動走行ロボット公道走行実証
◆目的:公道走行時の技術検証および課題抽出
◆内容
- 管制センターと自動走行ロボットを公衆インターネット網で接続し、管制センターのオペレーターがロボット周囲の状況を常時監視。
- 自動走行ロボットは障害物を回避しながら自律走行。自動回避が困難な状況では管制センターからの遠隔操作に切り換えて走行。
◆時期:2020年11月25日~12月24日
◆場所:Fujisawaサスティナブル・スマートタウン内の湘南T-SITEからアクティブパーク南側の住宅街周辺を走行。遠隔管制センターは湘南T-SITE内に設置。
<フェーズ2>自動走行ロボットを用いた配送サービス実証
◆目的:ロボットを利用した新たな配送サービス体験に対する受容性を検証
◆内容
- ロボット利用による配送サービスの省人化
- スマートフォンのアプリを用いた非対面での荷物や商品の受け渡し
- ロボットと遠隔管制センター間での対話機能によるコミュニケーション
◆時期:2021年2月~3月(予定)
◆場所:走行ルートおよび遠隔管制センターの設置場所は、フェーズ1の自動走行ロボット公道走行実証の結果を踏まえて後日決定。
※現時点でフェーズ2の配送サービス実証に関しては、関連省庁からの道路使用許可を取得していない。