日本精工株式会社(以下、NSK)は、7月7日、自動車の駆動軸のトルクをリアルタイムで測定する世界初の「非接触式トルクセンサ」を開発したことを発表した。
上記製品は、駆動軸のねじれを磁気で計測し、トルクを検出。従来困難とされていた量産車への搭載を可能にするため、センサをシンプルな構造にし、小型化している。
自動車業界では、自動運転や電動化など「CASE」と呼ばれる100年に1度の技術革新が進展しており、安全性や快適性、そして環境負荷低減のため、自動車には様々なセンサが搭載され、自動車の状態を検知して、高度な制御を可能にしている。エンジンやモーターの力は、駆動軸を通じてタイヤまで伝えられるため、駆動軸のトルクを測定することで、環境性能、快適性、故障検知などの安全性が向上するが、既存の駆動軸トルクセンサでは、構造が複雑で容積が大きいため、量産車への適用ができない状況を受け、NSKは、上記製品を開発し、自動車の環境性能、快適性、安全性の向上に貢献すると説明している。また、上記製品の売上として2030年に60億円を目指すと述べている。
【「非接触式トルクセンサ」製品概要】
<製品特徴>
- 非接触式センサ:センサを非接触式とすることで、シンプルな構造を実現。センサの軸への接触による摩耗が発生せず、高い信頼性を得ることが可能となった。
- 小型化:コイルの巻き方の工夫により軸方向の長さを半減し、材質の改良で高感度を実現した。
- 量産性:駆動軸に、溝やメッキなどの特殊な加工が不要で、量産車で採用されている材料や表面処理が使用可能。

<製品効果>
- 自動車の電費・燃費を改善
- 変速時や加減速時などのトルク変動を緩和し、滑らかで快適な乗り心地を可能にする。トルクを常時監視し、異常な状態を検出し故障予知が可能。