間もなく新型となる4代目の発売が予定されているトヨタ「ハリアー」。新型ハリアーは、昨年フルモデルチェンジされた「RAV4」とプラットフォームやパワートレーンを共有する〝兄弟車〟のような関係であるが、デザインやキャラクターだけでなく、搭載する装備や機能にも違いが見られる。
両車ともGA-Kプラットフォームを採用し、ボディサイズはRAV4と比較してハリアーの方が若干全長が長く、全高が低いのが特徴。デザインは、SUVらしい力強さを持つRAV4、都会に映える流麗なスタイルに磨きをかけたハリアーと、明確に個性が分かれている。
新型ハリアー:全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm ホイールベース=2690mm
現行RAV4:全長4600mm×全幅1855mm×全高1690mm ホイールベース=2690mm
パワートレーンは、いずれもガソリンとハイブリッドを用意。ハイブリッドは、2.5L 直列4気筒ダイナミックフォースエンジンとハイブリッドシステム(THS II)を組み合わせ、最大出力178ps/最大トルク221Nmを発揮。ガソリンモデルは、2.0L 直列4気筒ダイナミックフォースエンジンにDirect Shift CVTを組み合わせ、最大出力171ps/最大トルク207Nmとなり、カタログのスペックは同一となる。

ただ、RAV4にはPHV(プラグインハイブリッド)が設定され、今夏発売される予定となっており、こちらも大きな注目を集めそうだ。
一方で、ハリアーのガソリンモデルの4WDには「ダイナミックトルクコントロールAWD」を標準装備するものの、RAV4の上位グレードに採用されていた左右後輪間でトルク配分する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は非搭載。加えて、ハリアーにはダウンヒルアシストコントロールやマルチテレインセレクト(RAV4のガソリン車のみ搭載)といった悪路走破性を高める機能は非採用であり、オフロード性能を追求したRAV4と、都会的でラグジュアリーなハリアーというキャラクターの差別化がここでも見て取れる。

乗り味のセッティングなどは実車に試乗後改めてレポートするが、兄弟車とはいえ基本的にその味付けは異なることが予想される。ハリアーには極微低速域でもスムーズなストロークの動きを確保したショックアブソーバーを採用することから、フラットかつ快適性のある乗り味に期待したいところである。
インテリアは、エクステリアと同様にクルマのキャラクターの違いからデザインテイストが異なるが、装備も両車では若干異なる。
ハリアーはインパネ上部に12.3インチディスプレイが与えられるほか、調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフ、走行中に後方映像を映すだけではなく、前後方向の映像が録画が可能なデジタルインナーミラーをトヨタ車で初採用し、最新技術が惜しみなく投入されている。
先進安全装備も大きく進化。トヨタセーフティセンスは、プリクラッシュセーフティは夜間の歩行者・昼間の自転車運転者を検知対象に追加。さらに、ハリアーには先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光できる「アダプティブハイビームシステム」や、クルマを上から見下ろした視点で駐車をサポートする「パノラミックビューモニター」といった、RAV4非採用の機能も装備する。
ボディサイズはほぼ同格ながら、デザインや中身は全く異なるハリアーとRAV4。従来はトヨペット店専売だったが、先日のトヨタ系全販売店取り扱いスタート後初の新型車種となり、トヨタを牽引していく存在として大いに注目を集める存在となりそうだ。