独フォルクスワーゲンは、フォルクスワーゲンの生産再開に当たっては、早さよりも健康を優先するとし、会社の経営陣と従業員協議会が、労使協定により従業員を保護するための明確な規則と措置を設定したと公表した。
新しい労使協定は、感染を防止するために、コロナウイルスに対して早い段階で予防策を講じることを目的としており、具体的には、生産プロセスの最適化、一定以上の距離を取ることを徹底、厳格な衛生基準、をすべてのエリアに適用するとしている。さらに、1.5メートル以上の距離が取れない場合、すべての従業員に、口と鼻の保護具の着用義務、定期的な清掃、接触を避けるためのシフトの分離などを実施するほか、従業員は毎日仕事を始める前に、自身の責任において、自分の体温を測定する必要があると説明している。
また、フォルクスワーゲンは、生産の再開に関して、イースター後の火曜日から、中国の工場への部品供給を確保するため、すでに部分稼働を継続している、ブラウンシュバイク、カッセル、ザルツギッター、ケムニッツ、ハノーバーの各部品工場の事業拡大が決定されたと述べている。なお、これ以外の部品および車両工場での生産は、引き続き停止されており、今後の運営に関する詳細は、イースター後に確定される予定としている。
フォルクスワーゲンは、生産の再開には包括的な対策パッケージが採用されるのに加え、 再開はいくつかのフェーズに区切られており、フェーズ1では最大限の予防策が適用され、フェーズ4の通常のオペレーションに戻るまで、段階的に移行するが、フェーズの移行は、会社と従業員協議会の合意の上決定されると述べている。
さらに、オフィスワークについても、さまざまな調整がなされており、 必要に応じてフレックスタイムの枠を拡張して、間接領域の時間間隔を確保するなど、その一部が、技術開発部門などでテスト運用されているほか、モバイルワークを行っている従業員においては、次の通知があるまで可能な限り自宅で作業することとしている。なお、すべての規則は、外部パートナーの従業員およびサービスプロバイダーにも適用されるとしている。
フォルクスワーゲン乗用車ブランドのCOOであるラルフ ブランドシュテッター氏は、「従業員の保護と健康は最優先事項です。私たちにとってこれ以上に重要なことはありません。 私たちは、従業員が安全に働き、私達に頼れるように、最善を尽くさなくてはなりません。そのため、従業員協議会と共に、明確な基準を設定し、通常のオペレーションに戻る際のさまざまな段階におけるスケジュールを設定しました。」と語った。