2年半前、神奈川県大井町の東名高速道路上で、走行中車両の前に割り込み走路妨害をして停車させ、その結果後続車が追突。停車させられた車両に乗っていた一家4人のうち夫妻を死亡させ、娘二人に軽傷を負わせた。この痛ましい事故の控訴審判決で、東京高裁は一審の横浜地裁の裁判員裁判判決(懲役18年)を破棄、地裁に差し戻した。
この事件をきっかけに警察庁では、道交法の大幅改定し新罰則の設定や懲役刑の採用、免許の取り消しなどの厳格化に取り組み、ヘリコプターで上空からの観察などにも積極的に手配をした。
警察庁が10月、各道府県の運転免許試験場で、免許更新手続きをしたドライバー2681人にアンケートを実施。その結果、過去1年間にあおり運転被害を受けた人は939人、ほぼ3人に一人と身近な脅威として横行している実態が浮かんだ。
抑止のために何らかの対策が必要と回答した人は96・3%で、具体的な内容として(複数回答)、罰則の強化が74・6%と最多で、ドライブレコーダーの普及促進(60・9%)、積極的な違反取り締まり(43・8%)、あおり運転をしただけで免許取り消し(35・5%)が多かった。
あおり被害の状況は、後方からの著しい接近が最も多く、クラクションやハイビーム、幅寄せ、割り込み後に急ブレーキ、蛇行運転と続いた。
過去1年間に受けた被害が1回と答えた351人のうち、271人が一般道路上で、残り80人が高速道路で、1年間で被害を3回以上受けた人が401人もいた。
筆者自身、こんなに多くの人が被害を受けていたとは、今まで全く意識していなかった。あおり運転をなくす方法として、我々一般人ができることはドライブレコーダーの装備はもとより、目撃した時にはスマートフォンの写真でも良いから、ぜひ撮っておき(できればナンバープレートが写るように)、警察官に提供することは大きな協力となろう。(有山 勝利)
有山勝利プロフィール
1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。