デンソーテンは、見えない(離れている)地点のカメラ映像を高速で切替表示する技術を開発し、2019年10月21日(月)~25日(金)にシンガポールで開催される、「第26回ITS世界会議シンガポール2019」において、「On-Demand View(仮称)」として紹介すると発表した。
デンソーテンは、2005年のタクシー向けドライブレコーダー発売に始まり、2015年にはクラウドセンターと連携し、走行中の膨大な記録データの中から危険と判断された画像だけを、リアルタイムに確認できる「クラウド連携ドライブレコーダー」を商品化した。今後、交通システムでは、コネクティッドカーの普及や、第5世代移動通信システム(5G)の環境整備が推進されるのに伴い、映像を活用した多種多様なサービスへのニーズが高まると予測されており、車両や道路などに設置されている様々な種類のカメラ映像を切替表示する処理時間が大きな課題になる。
今回、デンソーテンが開発した高速切替表示技術は、クラウドセンターに収集した各車載機(ドライブレコーダー)の位置情報を基に、例えば、後続車両のドライバーが次に見たい映像を先読み予測し、バックグランドで事前に複数のカメラに接続しておくことで処理の高速化(従来比1/10)を実現しているほか、位置情報や車速情報などとの連動により、人の操作なしで適切なタイミングでの映像表示を実現している。この技術により、従来見えなかった地点、離れた地点の映像を瞬時に確認できるため、最適なルートの選択、事前の危険回避などに役立つとし、 今後は、具体的な利用シーンの精査、実用化に向けた性能改善などを進めていくと述べた。