日産は、福島県浜通り地域に新たな「NISSAN e-シェアモビ」の拠点、大熊町ステーション(福島県双葉郡大熊町)を開設したことを発表した。
カーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」は、公益財団法人 福島イノベーション・コースト構想推進機構の「福島イノベ交通ネットワーク実証事業業務」のプロジェクト「はまモビ」の受託に伴い、昨年12月18日より福島県浜通り地域等での実証実験としての運用を開始している。浪江、富岡、小高に続き「はまモビ」として4つ目の開設となる大熊町ステーションには、「日産リーフ」1台を配備する。
実証実験期間中は、利用時間に応じての時間課金料金システムとなり、入会金、月額料金は無料となっている。また、既に「NISSAN e-シェアモビ」会員は、そのままで利用が可能となっている。
大熊町は東日本大震災後、福島第一原発事故の影響により、区全域に避難指示が出されていたが、今年4月に帰還困難区域を除き、避難指示が解除された。今回の「NISSAN e-シェアモビ」は、大熊町住民の新たな移動手段のほか、今年4月に開庁した大熊町新庁舎への来訪者の交通手段として、さらに、既存公共交通機関を補完するために提供すると説明している。
同地域には、今もなお、公共の交通インフラが不十分な場所が存在しており、今回の実証事業は、福島イノベ構想に関連する施設・拠点間や常磐線不通区間を結ぶ新しい交通ネットワークを形成するとともに、地域産業の集積と交流人口の拡大・推進を目的として実施するとしている。
また、日産は、今回の実証事業を通じて福島県でのカーシェアリングの導入効果や事業採算性、今後の持続的な実現に向けて課題と対策を整理し、福島イノベ構想へ提案すると述べた。
日産は、これまでも、福島県双葉郡の8つの町村への多目的小型商用車「NV200バネット」の寄贈、いわき市や広野町、楢葉町、浪江町における従業員ボランティア活動の実施、浪江町での電気自動車の使用済みバッテリー再製品化専用工場(フォーアールエナジー株式会社浪江事業所)の開所など、福島県の復興に向けた様々な活動を取り組んできており、これからも、よりよい世界の実現に向け、様々な分野での取り組みを共に進めていくとしている。