トヨタ自動車は6月2日、「GRMNカローラ」を世界初公開した。日本、北米、豪州を中心に台数限定での販売を予定しており、日本国内においては2026年秋頃からスマートフォン向けアプリ「GR app」を通して商談に関する申し込み受け付けを開始し、2027年内の発売を予定。
GRMNカローラは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げるGAZOO Racing(以下「GR」)、そしてモリゾウことマスタードライバーの豊田章男会長の原点であるドイツ・ニュルブルクリンク(以下「ニュル」)をドライバーが安心して全開で走り切れることを目指した究極のGRカローラ。
ニュルでの走行テストのみならず、日本のスーパー耐久シリーズ(以下「S耐」)への参戦、さらに最新のドライビングシミュレーターを活用して様々な検証を行って開発され、実際にニュルを走り込むことで浮上した課題をひとつずつ解決し、限界走行域に至ってもクルマとドライバーがしっかり対話し続けられる、クルマとの一体感の高さを追求。
また、GRMNカローラの開発で得られた知見は、ベースとなるGRカローラの進化にも活かされており、2025年9月発表、11月発売モデル(25式後期)のGRカローラでは、ボディの構造用接着剤の塗布を13.9m延長した32.7mとしボディ骨格の強化を図った他、クールエアダクトを装備して高負荷走行時の吸入空気温度の上昇を低減。
なお、6月2日から6月28日まで富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで車両の展示を実施する
<「GRMNカローラ」の主な特長>
専用のエアロパーツを開発し、接地性を向上。フードダクトやフェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、リヤウィングは、S耐に参戦している水素エンジン搭載のGRカローラに投入し、レースで培ったノウハウをもとに開発された専用パーツ。
S耐で試行錯誤を重ねたうえで、ニュルでファインチューニングを行い、たとえば5段階の調整機構を設定したリヤウィングの角度は、プロドライバーとの走行テストにおいて1度ずつ変更しながら効果を検証し、最適な仕様が導き出された。
サスペンションには、専用のモノチューブショックアブソーバーを前後に採用。コーナリング時の内輪の接地性を高め、高速旋回性能を引き上げるために、ショックアブソーバーにリバウンドスプリングを追加。
ニュルの路面は一般的なサーキットと異なり、サスペンションが上下に大きくストロークする環境もあり、そうした環境においても安心して走り込めるスタビリティの高さを求め、ニュルでの走行テストを重ね、バウンドストッパー特性の最適化を実施。前後それぞれストローク量をmm単位で調整しながらベストバランスを見出した専用パーツとなっている。
さらに、コーナリング時の安定性とブレーキ性能を高めるため、タイヤもベース車と比べて幅を10mm拡げた245/40ZR18のハイグリップタイヤ「Michelin Pilot Sport Cup 2」を装備。
EPS(電動パワーステアリング)については、高いGを受ける旋回時においても適切なアシストトルクを発生できるように制御プログラムを変更した他、4WDの制御もGRMNカローラ専用にチューニングを実施。直進時のリヤ側トルク配分を最適化し、超高速域におけるステアリングの切り始めの安定性を増すように設定した。
<水素カローラから得られた内燃機関をさらに進化>
水素エンジンを搭載したGRカローラのS耐参戦は、内燃機関の進化にも多くの学びをもたらし、耐久レースにおける長時間、高負荷下の走行は水素技術のみならず、内燃機関の基本コンポーネントのポテンシャル向上に貢献。
S耐参戦による知見を投入し、GRMNカローラのエンジン最大トルクはベース車比+15Nmの415Nmを実現。エンジンの特性は、サーキット走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な3,600~4,800rpmの中速域でのトルク向上を図った。連続した全開走行でも安定したエンジン高出力を維持するため、GRカローラ25式後期で新たに装着したクールエアダクトに加え、GRMNカローラにはインタークーラースプレーも装備。
また、GRMNカローラはより高いパフォーマンス、そして「お客様を魅了する野性味」を追求するため、徹底的な軽量化を目的にリヤシートを撤去し、ベース車比で約30kgの軽量化によりパワーウェイトレシオを低減。
<より高いパフォーマンスを引き出すためのコクピット>
走りの真価をドライバーが引き出せるように、シートやインストルメントパネルの変更を実施。シートはより高い横Gに対応できるホールド性を求め、S耐参戦車のドライビングポジションを指標にした、専用設計のフルバケットシートを開発。
クラッチ操作をしやすくするためシート長を調整した他、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を採用することで軽量化を実現。開発中には同シートをS耐参戦車両に搭載し、ヘルメットを装着した状態での評価を含めて、様々なプロドライバーのフィードバックを反映した。
コクピットは、より運転に集中できる空間を追求して配色にもこだわり、専用の植毛加工を施したインストルメントパネルおよびフロントピラートリムを採用した他、トヨタ自動車元町工場のカーボン課で開発、製造するカーボン製オーナメントを助手席側のインストルメントパネルに装着。
さらに、モリゾウのサイン入りパッドを採用した他、ドアトリムやシフトノブにはアルマイトレッドの差し色を施し、GRMN専用シリアルナンバープレートも装備。
<「GRMNカローラ」特別装備の主な内容(日本仕様)>
◆メカニズム
- エンジントルクアップ
- クロスミッション
- サブラジエーター
- インタークーラースプレー
- GRMNカローラ専用ショックアブソーバー(フロント : 倒立、リヤ : 正立) ※リバウンドスプリング内蔵
- ハイグリップタイヤ(Michelin Pilot Sport Cup 2)
- GRMNカローラ専用パワーステアリング・チューニング
- GRMNカローラ専用4WD制御チューニング
◆外装
- カーボン製エンジンフード
- カーボン製フロントフェンダー
- カーボン製フロントサイドスポイラー
- カーボン製リヤウィング(角度調整機構付き)
- ホイール(マットブロンズ・GRロゴ入り)
- ダーク色トヨタエンブレム(フロント・リヤ)
- GRMN専用GRエンブレム(フロント・リヤ)
- ボディカラー「グラビティブラック」(特別設定色)
◆内装
- GRMN専用フルバケットシート
- GRMN専用シリアルナンバー入りプレート
- MORIZOサイン入りインストルメントパネル(カーボンオーナメント付)
- 植毛インストルメントパネル・フロントピラートリム
- 2シーター専用剛性ブレース
- 鋳物ブラック塗装
<「GRカローラMORIZO RR(コンセプト)」>
GR-DATを搭載した究極のGRカローラの5シーターモデルとして「GRカローラMORIZO RR」を開発しており、発売については未定。GRカローラMORIZO RRはコンセプトモデルとして、GRMNカローラと同じく本日6月2日から6月28日まで富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで展示。
















