三菱自動車、三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)、Ample Inc.(本社:アメリカ合衆国)、ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)の4社は6月6日、バッテリー交換式電気自動車(EV)とバッテリー交換ステーションの物流事業者の業務における実用性に関する実証を9月より東京都で実施すると発表した。
同実証は、東京都および東京都環境公社の2024年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択されており、150台超のバッテリー交換式EVと14基のバッテリー交換ステーションを使用して実施。
ヤマト運輸は2022年以降、複数の車両メーカーとバッテリー交換式EVの規格化・実用化に向けた検討および実証を行っており、またMFTBC、Ample、ヤマト運輸では2024年8月から11月まで、京都府京都市にてAmpleのバッテリー交換ステーションおよびMFTBCのバッテリー交換式の「eCanter」を使用した、集配業務における実用性の実証を実施。目標としていた車両品質を確認できた他、運用方法のノウハウの蓄積や、車種や車両ブランドを問わずバッテリー交換ステーションが共用できる点を検証した。
バッテリー交換式EVは、従来の充電方法と比べて車両の待機時間を大幅に短縮することが可能となっており、今回の実証では、バッテリー交換ステーションを設置し、バッテリー交換を全自動で実施。
バッテリー交換の目標時間は5分間に設定しており、物流のダウンタイム短縮につながるほか、バッテリーを手動で交換する必要がないため、ドライバーの負担軽減にも貢献する。
Ampleのバッテリー交換ステーションは、コンパクトかつ短期間で組み立てが可能なため、東京都のような高密度な都市環境においても効率的なインフラ整備を実現し、実用的なEVシフトのソリューションとなることが期待されている。
4社は同実証を通じて、バッテリー交換式EVの実用化と商用EVのさらなる普及に向け、バッテリー交換技術の確立および運用基盤の構築を目指す他、温室効果ガス排出量の削減に向けて、バッテリー交換ステーションでの再生可能エネルギー由来電力の使用を検討すると述べている。