高い悪路走破性から街乗りユースまで、個性豊かなモデルが充実しているSUV。SUVは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の略称で、従来はスポーツ用途に特定の特徴を備えたモデル・車種を指していたが、近年は使用目的が多岐に渡るモデルも含まれている。また、ブームの高まりを受け、いま各社が最も開発に注力しているジャンルだ。2020年度(2020年4月~2021年3月)一番売れたSUVはなんだろうか?トップ20を見てみよう。
■【1位~5位】トヨタ強し!トップ5に3台がランクイン
トップ5のランキングは以下の通り。ライズ以外は2020年に発売された新型だが、ライズは5ナンバーサイズのコンパクトボディながら、広い室内空間や充実した装備、SUVらしいスタイルを持ち、価格は167.9万円からとリーズナブルであることが大きな支持を集めている。また、ハスラー、タフト、ヤリスクロスと、運転のしやすいコンパクトSUVに人気が集中していることも、このランキングから見て取れる。
この中でも異彩を放つのがハリアーだ。ハリアーは乗り出し価格300万円以上、最上級グレードを選ぶと500万円を超える高級車だが、モデルチェンジ効果も相まって異例とも言える販売実績を記録している。自販連が発表した2021年3月の販売台数ランキングでも、ライズ(1万2272台)に次ぐ1万426台を記録しており、当面この勢いは収まりそうにない。また、2021年度はヤリスクロスも通年での販売となるので、トップのライズにどこまで迫れるか注目だ。
1位:トヨタ・ライズ=12万988台
2位:トヨタ・ハリアー=8万6843台
3位:スズキ・ハスラー=8万5426台
4位:トヨタ・ヤリスクロス=6万4553台
5位:ダイハツ・タフト=6万918台
■【6位~10位】モデル末期でも人気の定番車
6位~10位のランキングは以下の通り。RAV4は現行型登場からほぼ2年が経過しているが、根強い販売実績を記録。ジムニーは2018年のモデルチェンジを機に、従来からのヘビーデューティな使い勝手に加え、デザイン面の高評価によって新たなユーザーを獲得し、人気を高めている。
モデル末期ながらトップ10に入る健闘を見せたヴェゼルは、2021年4月に満を持してフルモデルチェンジ。コンパクトSUVの代表格として市場を牽引してきた先代と同様に、来年度の販売ランキングでは上位に進出しそうだ。
6位:トヨタ:RAV4=5万990台
7位:スズキ・ジムニー=4万4824台
8位:日産・キックス=3万2863台
9位:トヨタ・ランドクルーザー(プラドと合算)=3万455台
10位:ホンダ・ヴェゼル=2万8110台
■【11位~20位】マツダのSUVが揃ってランクイン
11位~20位のランキングは以下の通り。フォレスターやエクストレイルなど国産車の中では大柄なモデルから、クロスビーやロッキーといったコンパクトまで多彩な顔ぶれとなっている。
中でも、マツダは13位のCX-5、15位のCX-30、18位のCX-8、20位のCX-3と、MX-30以外すべてのSUVがランクイン。4WDはもちろん、ディーゼルエンジンやMT車など、他社にはあまりない設定があることも魅力だ。また、CX-8は最上級モデルであるとともに、3列シートを備えたミニバンのような機能性も評価されている。
11位:トヨタ・C-HR=2万8090台
12位:ダイハツ・ロッキー=2万6425台
13位:マツダ:CX-5=2万3766台
14位:SUBARU・フォレスター=2万3664台
15位:マツダ:CX-30=2万3192台
16位:スズキ・ジムニーシエラ=1万8222台
17位:日産・エクストレイル=1万7013台
18位:マツダ・CX-8=1万6617台
19位:スズキ・クロスビー=1万4510台
20位:マツダ・CX-3=9809台
2021年度は、ヴェゼルのモデルチェンジを皮切りに、ランドクルーザー、エクストレイルのフルモデルチェンジが予定されている。さらに、現状でも盤石に見えるトヨタのSUVラインナップには、タイで生産されている「カローラクロス」の国内導入も噂されている。人気のSUVに選択肢が増えることはユーザーにとって朗報と言え、ランキングの変動とともに、SUV市場から今後も目が離せそうにない。