レクサスは4月13日、次世代を担う世界のクリエイターを育成・支援することを目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2021」の入賞6作品のプロトタイプが完成したと発表した。
2021年1月に発表された同アワードの6組の入賞者は、世界的に著名なメンター陣から約3ヶ月にわたる継続的な指導を受け、当初のアイデアをブラッシュアップして、今回披露されるプロトタイプが完成した。今年のメンターはジョー・ドーセット氏、サビーネ・マルセリス氏、マリアム・カマラ氏、スプツニ子!氏の4名が務めている。
メンターを務めるマリアム・カマラ氏は、「短期間で入賞者のみなさんが重ねた努力にとても感心しました。私達メンターのアドバイスやフィードバックを貪欲に取り入れながら、アイデアをより良いものにするべく情熱と向上心を見せてくれました。自分たちのアイデアが持つ社会への影響力や効果を探求し、実現させようとしています。より良い未来に貢献しようとする想いは素晴らしく、その努力と成果にとても心を揺さぶられました。」と語った。
入賞者は完成したプロトタイプを同アワードの4名の審査員、パオラ・アントネッリ氏、ドン・ゴン氏、グレッグ・リン氏、サイモン・ハンフリーズ氏に対してプレゼンテーションし、6作品の中からグランプリが決定される。なお、グランプリの発表は4月27日(火)を予定している。
【LEXUS DESIGN AWARD 2021 FINALISTS 詳細】
①作品名CY-BO:細胞の接合から着想を得た再利用可能な梱包材で、梱包以外にも多様な用途に活用可能
生物の細胞の接合から着想を得た新しい梱包材で、ピースを組み合わせることで、さまざまな形状に変化させることができる。何度でも組み替えて再利用でき、アイデア次第で小物やインテリアなど、梱包材以外の用途にも活用できる。
②作品名Heartfelt:離れていても相手の存在を感じられることで、孤独を和らげるデバイス
パンデミックの時代における、“人が存在すること”がもつ意味を探求し、ひとりでいることによる不安や精神的なストレスを和らげようとする。このデバイスが愛する人の鼓動を反映し、精神的なサポートや人と人とのつながりを促す。
③作品名InTempo:ストレスを感じる状況で、気持ちを落ち着かせることを助けるスマートフォンカバーとアプリ
人前や公の場での精神的な不安感(パニック障害、社交不安障害など)に苦しむ人を支援するためのスマートフォンカバーとアプリ。音楽のリズムに合わせて、カバーの特定の部分に触れることで、今置かれている状況から意識をそらし、気持ちを落ち着かせることができる。
④作品名KnitX:ジェスチャー・音・触覚に反応する、インタラクティブな電子テキスタイル
日常生活で用いる繊維に、ジェスチャーや音、触覚に反応する機能を組み込むことで、触覚やジェスチャーに反応して音楽を奏でることができる布や、ダンスと音楽が共鳴するインタラクティブなカーペットなどを制作。
⑤作品名Portable Solar Distiller:持ち運び可能で高度な技術を必要としない、太陽光を活用した蒸留装置
太陽光を活用して汚れた水や海水を蒸留するためのソリューションで、高度な技術を必要としないようデザインされている。新鮮な水を提供すると同時に、人々が集い日差しを避けるためのコミュニティ建築の役割も果たす。軽量で多様な構造は、地域の環境や人々のニーズに応じて多様な素材、方法で制作することができる。
⑥作品名Terracotta Valley Wind:電車による風力を活用したテラコッタ素材の気化熱による、地下鉄の駅構内向け冷却システム
テラコッタ素材による気化熱を利用して夏場の地下鉄駅構内を冷却させるシステムで、エネルギー消費の削減に貢献。安価で入手しやすく、水分を素早く蒸発させるテラコッタの特質と、列車がホームに入ってくる際に発生する風力という、これまで利用されていない資源に着目した。