日産は3月15日、金型を用いずにボディパネルを成形する「対向式ダイレス成形」と、製品開発における試作工程の一部で使用している3Dプリンター技術など、日産の新技術を活用した「NISMOヘリテージパーツ」を商品化すると発表した。
2019年10月に発表されたボディパネルの少量生産に対応する技術である「対向式ダイレス成形」は、棒状の工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、成形工具を対向側にも配置することにより複雑な形状の成形を可能とした工法で、同技術を活用してR32型スカイラインGT-Rのリアパネルを商品化する。商品化にあたっては 基盤技術である「対向式ダイレス成形」工法および、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工をベースに、熟練作業者の板金ノウハウを取り入れながら試作を繰り返し、併せてサプライヤーとも連携することで、自動車部品に求められる高い品質を実現した。
また、SOLIZE株式会社と共同開発した3Dプリンター技術を用いて、R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター（樹脂部品）を商品化する。同社ではハーネス本体を製造するサプライヤーとも協力しながら、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施し、高い品質基準が求められる自動車部品の商品化を短期間で実現した。
「NISMOヘリテージパーツ」は、日産、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル（株）及び（株）オーテックジャパンの3社が、サプライヤーと共同で製造廃止となった純正補修部品を再供給するもので、2017年12月より販売を開始。約3年間で販売開始時の80部品から、300部品以上に拡大している。
同社は、今後も総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を活用し、「NISMOヘリテージパーツ」の供給アイテムの更なる拡大に貢献していくと述べている。
