Amazonが展開するスマートスピーカー「Echo」シリーズ初の車載デバイス「Echo Auto」。音声によるハンズフリー操作をクルマに導入できるアイテムで、Alexa(アレクサ)と話しかけるだけで、音楽を再生したり、予定を確認したり、電話をかけることができる。価格は4,980円(税込)となっている。
今回は、実際に「Echo Auto」を使って分かったメリット・デメリットに迫りたい。
■「Echo Auto」をレビュー!クルマで手軽にハンズフリー操作ができる
パッケージ正面に「Echo Auto」と刻まれている。付属品は、「Echo Auto」本体、車載電源アダプタ、Micro USBケーブル(1m)、3.5 mm AUXケーブル(1m)、Echo Autoエアベントマウント、クイックスタートガイド。必要なモノはすべて揃っている。
本体正面には、プライバシーボタン(マイク オン/オフ ボタン)とアクションボタン、8つのマイクを備えている。「Echo Auto」は、カーオーディオからの音楽やエアコン、ロードノイズなどがある車の中でも8つのマイクを利用して、より正確なハンズフリーの音声認識を可能にしている。
本体背面には、「技適マーク」などが記載されている。付属のEcho Autoエアベントマウントとマグネットを利用することで、「Echo Auto」を固定できる。
Echo Autoエアベントマウント(送風口用アタッチメント)は、カーエアコン部分に取り付けが可能。ただし、一部形状の送風口と互換性がないので注意が必要だ。(※Echo Autoエアベントマウント互換性について:https://www.amazon.co.jp/b?node=8424356051&ref=ods_dp_aucc_muf_compatiblecar)
「Echo Auto」でアレクサとの会話を行うためには、スマートフォンでAlexaアプリのダウンロードが必要だ。
「Echo Auto」とスマートフォンの接続については、Alexaアプリを使い手順に従って設定するだけなので難しいことはない。10分程度あれば、設置から接続までは可能だろう。
注意点としては、「Echo Auto」の使用中はスマートフォンが通信圏内かつデータ通信が行える状態でないといけない。また、スマートフォン自体はスリープ状態でも「Echo Auto」の利用は可能だが、Alexaアプリがバックグラウンドで動作していない時は利用できないので注意が必要だ。
肝心の使い心地については、走行中の車内かつ音楽が流れている騒音空間でも「アレクサ、〇〇して」と喋りかけるとしっかり反応してくれる。ただ、精度は100%とは言えず、何度かに一度反応しなかったりということもあったので、少し不便に感じるときもあった。
「Echo Auto」使って便利だったのは、話しかけることでニュースや天気の確認ができたり、電話をかけたり、Amazon Music、Apple Music、Spotify、AWAなどから音楽再生ができることだ。筆者と同様に、音声操作によるハンズフリー機能が備わってないクルマを利用している方にとっては、魅力的な製品となっている。
■「Echo Auto」を使って分かったメリット・デメリットは?
「Echo Auto」のメリットとデメリットを確認していきたい。
メリット
・初期設定はAlexaアプリで簡単に行える
・音声入力に対応してない車でも音声によるハンズフリー操作ができる
・様々なアプリとの連携ができる(Amazon MusicやApple Musicなど)
・AUXケーブルを使ってクルマのスピーカーから音を出せる
デメリット
・呼び掛けても反応しないときがある
・肝心のナビ案内には非対応
・ケーブルを使うため不格好になりやすい
・利用するためには必ずスマートフォンが必要
・スマートフォンで通信量を消費する
「Echo Auto」の初期設定は、思っていたよりも簡単だった。スマートフォンのAlexaアプリを使うことで、画面に出る手順に従ってデバイスを追加できる。どんなことができるのか、アプリ内に表示されているのも嬉しいポイントだ。
最大のメリットは、音声入力に対応してない車でも音声によるハンズフリー操作をできるようにすることだ。筆者のクルマは音声によるハンズフリー操作ができないが、「Echo Auto」を利用することで音声操作ができるようになった。
音声操作であれば、運転中も安全に音楽の切り替えや電話をかけられたり、ニュースや天気などの情報も簡単に聴ける。最新のクルマに買い替えることなく、クルマを近未来化できるのは素晴らしい。
気になる点として、「Echo Auto」を利用するためには必ずスマートフォンが必要であるということだ。現状、手元にスマホがないと何もできないので、自宅に忘れたりした時は音声によるハンズフリー操作はできなくなる。
また最も惜しいと感じたのは、ナビ案内に非対応なことだ。「Echo Auto」は想像していたよりもできることは多かったが、車をサポートする上で一番大切と言っても過言ではない「ナビ案内」などに非対応なのが非常に惜しい。
例えば、「近くのコンビニを調べて」と伝えると、近所のコンビニ名をいくつか提案してくれるスポット検索には対応しているが、そこまでの道案内はできない。このあたりが今後可能になってくると使い勝手は格段に良くなり実用性も高くなるだろう。
■「Echo Auto」は結局おすすめなのか?
最新のクルマでは標準搭載されつつある音声アシスタントによるハンズフリー操作だが、数年前のクルマにはないことも多い。Amazonはそんなクルマにも、後付で手軽に設置できる「Echo Auto」を世に送り出した。簡単に音声操作ができる楽しさ、Amazonのスマートスピーカーとの連携など、魅力的な要素も多い。
その一方で、ナビ案内への対応という課題は大きく、これが出来るか出来ないかで印象は大きく違ってくるだろう。実は、「Echo Auto」が先行して販売されている米国では、日本版Alexaアプリでは利用できないドライブ時に適した「Auto Mode」と呼ばれる機能を利用できる。
「Auto Mode」ならスポット検索からGoogle Mapsを利用したナビ案内を音声操作だけで可能だ。ということは、現時点でスポット検索までしかできない日本版Alexaアプリでは「Amazon Echo Auto」最大の魅力を引き出せていないということになる。
そのため「Amazon Echo Auto」は、現時点では万人におすすめできるものではなく、未完成と言わざるを得ない。ただ、可能性を秘めた製品であることは間違いない。音声アシスタントは使ってみないと分からない魅力がある。今後この「Echo Auto」がどのように進化していくのか、しっかり注視していきたい。
[ちえほん]
ガジェットブログ×YouTube!ガジェット・スマホが大好きで日々最新のモノを追い、外部ライターとしても活動するほか、国内の有名メディア等への寄稿もしている。