LEXUSは、コンパクトFRスポーツセダン「IS」をマイナーチェンジするとともに、特別仕様車“F SPORT Mode Black”を設定し、全国のレクサス店を通じて11月5日に発売した。
今回のマイナーチェンジでは、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込み、走りの性能を鍛え上げた。減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求し、日常の走行シーンにおいても気持ちの良い走りを可能とした。デザインでは、ワイド&ローなプロポーションにこだわったほか、高精度なプレス技術によってシャープな造形を実現し、アグレッシブな意匠とした。さらに、進化したLexus Safety System +などの先進安全技術も採用している。
【Toyota Technical Center Shimoyamaで鍛え上げた優れた操縦性や乗り心地】
Toyota Technical Center Shimoyamaは、2019年4月に愛知県豊田市下山地区に新設した車両開発用のテストコース。現在稼働中のカントリー路は、世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンクを走りこんできた経験を基に、自然の地形を活かした約75mの高低差と多数のカーブに様々な路面を組み合わせた全長約5.3kmのコースとして設計されている。新型「IS」は、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする厳しい環境でクルマもエンジニアも日々繰り返し走行試験を行うことで、高次元での車両性能のつくりこみが可能となった。
- 走行試験の結果に基づきドライバーの入力に対する俊敏な応答性やばね上の無用な動きの抑制など、路面状況や走行シーンに応じて徹底的にチューニングを実施。さらに、ステアリングやペダルの初期応答だけでなく、「戻す」際のコントロール性の向上にも取り組むことで一連の運転操作をより滑らかなものとした。
- 数値では測れない人の感性価値にこだわり、一連の運転操作のつながりやリズムなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな操縦性を追求。乗り味をつくりこむ上では、不快な振動や音といった雑味をあらゆる方向から検証し、原因を突き詰めて解消するなどクルマづくりの基本に立ち返り、走りの気持ち良さを進化させた。
- 2.5Lハイブリッドモデルはアクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御を変更。2.0Lターボモデルではドライバーのアクセル開度などから走行環境を判定し、シーンに応じて適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を採用し、よりドライバーのアクセル操作や意図に対してリニアなレスポンスを実現した。
- サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などによりボディ剛性を高めることで、ハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能も高めるとともに、ノイズや振動を徹底的に排除し乗り心地を向上した。
- ホイールの締結にハブボルトを採用し、締結力の強化と質量の低減を図ったほか、新採用の19インチタイヤはコーナリングフォースを大幅に向上するなど、気持ちの良いハンドリングとブレーキングを実現した。
- ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用した。アブソーバーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性が良く上質な乗り心地を実現している。
【運動性能の高さを予感させるアグレッシブなデザイン】
<エクステリア>
“Agile(俊敏) & Provocative(挑発的)”をデザインコンセプトとし、走りを予感させるワイド&ローなスタンスと、シャープなキャラクターラインによるアグレッシブなデザインを目指した。高い意匠性を実現するために、初期デザインの段階から製品企画、生産技術、設計、デザインが一丸となって開発に取り組んだことで、低重心で4ドアクーペのようなプロポーションや抑揚の効いた造形など、新しいISの世界観を実現。また、カラーデザインやオーナメントなど細部までつくりこむことで、クルマを操る楽しさを感じられるデザインを追求した。
- 新開発の小型軽量ランプユニットを搭載した薄型のヘッドランプの採用に加え、低く構えたグリル周りとそれに合わせて下げたサイドのキャラクターライン、ラゲージ後端部の造形で重心の低さを表現。
- 張り出した前後フェンダー、Lシェイプ一文字シグネチャーランプ、立体的なバンパーガーニッシュを採用。さらに新意匠の19インチタイヤや、ワイドなトレッドによりスポーティな走りを予感させるプロポーションを実現した。
- 緩やかに傾斜したリヤクォーターピラーがサイドから回り込む引き締まったキャビンシルエットとしたほか、張り出したリヤフェンダーとのコントラストでアグレッシブな印象を際立たせた。
- ボディパネル製造工程において、内側から突き上げる成形を追加した「突き上げ工法」を採用し、リヤフェンダーのシャープなキャラクターラインを実現。また、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加した、LEXUSならではの緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)工法」を世界で初めて開発。これによりラゲージ後端部のキャラクターラインにおいて、高精度でよりシャープな造形を実現した。
- 新意匠のスピンドルグリルはグリルの先端を起点に立体的な多面体構造とすることで押し出し感を強調。また、スピンドルをモチーフとしたブロック形状とメッシュパターンを組み合わせ、スポーティな印象とした。
- エクステリアカラーは、強い陰影により造形を際立たせるソニックイリジウムと、金属質感と高光沢を実現したソニッククロムの2色を新規設定した。
<インテリア>
- マルチメディアシステムは、新たにタッチディスプレイを採用するとともに、SmartDeviceLinkTM、Apple CarPlayやAndroid AutoTMに対応。自身のiPhoneやAndroidTMスマートフォンを10.3インチタッチワイドディスプレイに連携させることで、画面操作や音声操作が可能になるなど利便性を向上した。
- インストルメントパネル上部やドアパネルに有彩色を設定しツートーン配色とすることで、左右方向の広がりを強調。また、ツートーン配色によるコントラストで乗車時に高揚感を感じさせるカラーコーディネートとした。
- ドアトリムの一部にLEXUSの新たな加飾表現である複数のエンボスラインを交差させたグラフィックパターンを採用。オーナメントパネルにアッシュ(オープンフィニッシュ/墨ブラック)、ブラックジオメトリーフィルム、F SPORT専用サテンクロムを新規採用した。表面処理などのアクセントをつけることで、素材本来の質感表現にこだわったスポーティな室内空間とした。
<F SPORT>
“F SPORT”は前後異サイズ19インチホイールを専用設定し、スタビライザー、EPSなどを専用チューニングしたほか、ショックアブソーバーの減衰力を最適に制御するNAVI・AI-AVSを標準装備し、状況に応じて優れた乗り心地と走行安定性を両立した。また、F SPORTおよびFモデルに採用されている専用のFメッシュデザインのスピンドルグリルを採用し、グリルロア部のエアインテーク、サイドにロッカーモールフィン、リヤスポイラーとリヤバンパーロアガーニッシュを配し、ピアノブラック塗装のカラーリングで統一することで、“F SPORT”の精悍さを表現した。さらにF SPORT専用外板色として、ラディアントレッドコントラストレイヤリングを設定した。
【進化した「Lexus Safety System +」を含む、先進安全技術の採用】
新型「IS」に搭載されるLexus Safety System +は、これまでのモデルで培われた最新の安全技術により、さらなる進化を遂げている。従来のLexus Safety System +に採用している「単眼カメラ+ミリ波レーダー」の構成はそのままに、交通事故や事故死傷者の更なる低減と、ドライバーの負担軽減を目指し、緊急時操舵支援などの機能追加や車線認識性能の向上を実現。また、運転支援時にドライバーにとって自然で、安心感のある車両挙動を追求した。
<主な搭載技術>
- 単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大。交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能となった。さらに、ドライバーの回避操舵をきっかけに自車線内で操舵をアシストし、車両安定性確保と車線逸脱抑制に寄与する緊急時操舵支援や、低速時の衝突回避または被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能を追加した。
- 同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト(LTA)」を搭載。カメラ認識技術の向上によりレーントレース性能が大幅に向上したほか、緩やかなカーブでの支援に加え、滑らかにレーン中央をキープする走行が可能となった。
- 自動車専用道路などにおいて設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール」は全車速追従機能付となった。
- 先行車や対向車を検知し、自動でハイビームを制御する「オートマチックハイビーム(AHB)」を採用。
- カメラで主要な道路標識を読み取り、メーター内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」を採用。
- ドライバー異常時対応システムを搭載。LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促すほか、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損加害事故の回避・事故被害低減を支援する。停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に寄与する。
- ほかにも、パーキングサポートブレーキ、パノラミックビューモニターなど、先進安全装備を導入している。
【IS350/IS300 特別仕様車“F SPORT Mode Black”】
IS350/IS300“F SPORT”をベースに、専用のアルミホイールやブラックを基調としたカラーコーディネートで、ISの特長である走りとデザインに磨きをかけたモデル。BBSと共同開発したマットブラック塗装の鍛造アルミホイールの軽量化により、さらなるばね下質量の低減を実現した。また、ブラック塗装のドアミラーを採用することで精悍さを強調している。デザイン面ではアルミホイール表面の滑らかさにこだわり、職人が30年以上かけて培ってきた技術で1本ずつ手作業で仕上げている。インテリアでは、アッシュ材を銀墨色に仕上げた専用デザインのステアリングやオーナメントパネルを採用。自然素材が持つ本物の質感を際立たせ、加工から研磨、塗装まで各工程を職人が一つずつ手作業で仕上げている。さらに、“F SPORT”専用本革スポーツシートや専用メーターオープニングなどを特別装備している。
<特別仕様車 主な特別装備>
- 特別仕様車専用鍛造アルミホイール(BBS製マットブラック塗装)
- “F SPORT”専用本革スポーツシート(運転席ポジションメモリー/運転席・助手席ベンチレーション機能付)
- トルセン®LSD(リヤディファレンシャルギヤ)
- 特別仕様車専用アッシュ(オープンフィニッシュ/銀墨)+“F SPORT”専用ディンプル本革ステアリング(パドルシフト付)
- オーナメントパネル(パワーウインドゥスイッチベース部)特別仕様車専用アッシュ[オープンフィニッシュ/銀墨]
- “F SPORT”専用8インチTFT液晶式メーター(特別仕様車専用オープニング)
- 三眼フルLEDヘッドランプ(ロー・ハイビーム)&LEDフロントターンシグナルランプ
- 後席SRSサイドエアバッグ
- オート電動格納式ドアミラー(広角・運転席自動防眩・鏡面リバース連動ラストメモリー付チルトダウン・メモリー・ヒーター付/特別仕様車専用ブラック塗装)
- パワーイージーアクセスシステム(運転席オートスライドアウェイ&リターンメモリー機能付)
<価格(消費税込)>
- IS350:650万円
- IS300h:526万円~642万円
- IS300:480万円~555万円
- IS350 特別仕様車“F SPORT Mode Black”:700万円
- IS300 特別仕様車“F SPORT Mode Black”:585万円