ジェイテクトは10月29日、EV車の減速機内部にあるプラネタリギヤに使用する針状ころ軸受を開発したと発表した。
自動車市場ではCO2排出規制が進み、これに対応するEV車の普及が進んでいるが、EV車においては電費の向上のため、減速機の軽量化への取り組みが喫緊の課題となっている。ジェイテクトでは、これまで鉄製保持器が当たり前とされてきたプラネタリギヤ用針状ころ軸受を、軽量化への市場ニーズに貢献するため同一サイズ比20%軽量となる樹脂保持器を使用した「EV向けプラネタリギヤ用軽量針状ころ軸受」を開発した。
プラネタリギヤは、遊星歯車とも呼ばれ、中心となるサンギヤの周りに複数個のギヤが惑星のように配置されている歯車で、そのかみ合いによって必要な変速を行う。プラネタリギヤ用針状ころ軸受は、プラネタリギヤの公転による遠心力が保持器に負荷されるため、耐久性の高い鉄性鋼板を使用することが一般的だが、自動車の軽量化に対応するため、鉄製保持器に対し、保持器に発生する応力を低減させた、樹脂製の保持器を開発。これにより同一サイズの鉄保持器製針状ころ軸受と比べ、約20%の軽量化を実現した。
【「EV向けプラネタリギヤ用軽量針状ころ軸受」特徴と効果】
①保持器の軽量化
保持器の軽量化により、保持器にかかる遠心力負荷を低減。軸受取り付け寸法を変更させることなく減速機の軽量化を実現した。
②保持器形状の改良による少油量対応
樹脂の成形自由度を活かし、保持器形状を改良することで、少油量環境下における軸受に必要な潤滑油を確保する。