自動車文化を後世に伝えることを目的とし〝クラシックミーツモダン〟をテーマに、国内外のヘリテージカーが一堂に会するイベント、オートモビルカウンシル2020が7月31日から8月2日まで、千葉県・幕張メッセで開催された。
2016年に始まり5回目となる今年は、コロナ禍のもと同時入場者数の制限や来場者情報の登録、入場時の体温測定等、数々の感染拡大防止を図り開催された。また、来場を控えたファン向けには、オンラインによる有料動画配信を公式HPで行った。来場者は3日間合計で1万1230名だった。
国内自動車メーカーではトヨタ自動車/トヨタ博物館、本田技研工業、マツダが出展。輸入車インポーターではマクラーレンオートモーティブ、ジャガーランドローバージャパン、ポルシェジャパン。イベントに協賛するヤナセは、クラッシックカーのレストア専門部門、ヤナセクラッシクカーセンターが出展した。
■セリカ誕生50周年
トヨタ自動車/トヨタ博物館では、誕生50周年にあたるセリカの歴史と、モータースポーツの歩みを展示。トヨタはモータースポーツ参戦を通じ、量販車の耐久性向上を図ってきた。セリカも同様で、量産車をベースとする世界ラリー選手権のサファリラリー優勝車(1990年)と、米国IMSAシリーズ・GTOクラスに参戦した車両(1988年型)を展示した。
ヘリテージ車両向け純正部品が再販売開始され、その中から2000GT用の部品が展示された。復刻に向けた作業の中で、現行純正部品の百数十点が、2000GTに流用可能なことも判明し、品番が公開された。
さらに2022年度をめどに、富士スピードウェイのゲート隣地で開設の準備が進められている、高級ホテルとモータースポーツ博物館を一体化した施設“アンバウンドコレクション・バイ・ハイアット”も紹介された。
100周年にあたるマツダは、3輪トラックGA型(1938年)やR360クーペ(1960年)、初代ルーチェ(1966年)、コスモスポーツ(1967年)、サバンナRX-7(1978年)等歴代の名車9台を展示。さらに、100周年特別記念車、今秋国内導入が発表されたMX-30等も参考出品された。
ホンダは“世界の頂点を目指し続けるチャレンジングスピリット”として、第1期のF1マシン、RA300と高回転エンジンの礎を築いた2輪レーサーRC166(並列6気筒250㏄)、そしてシビップ タイプRと、同社のレーシングスピリットを具現する新旧モデルが展示された。
■吉田茂元首相のメルセデス・ベンツも
先月末、メルセデス・ベンツ新車累計販売100万台を達成したヤナセは、その記念ポスターにも描かれる吉田茂元首相に納車した、メルセデス・ベンツ・300SEラング(現所有者は別人)を含む8台を展示した。
同社がインポーター時代に行ったPDI業務や、長年の整備・修理等で蓄積された豊富な知識や技術は、後継者育成、技術の伝承も含めて、クラッシクカーのレストアに活かされている。
その専門部門のヤナセクラッシクカーセンターでは、ドイツの第三者研究機関から“板金・塗装工場”“レストア工場”の最高位の認証を取得する他、独自にドイツのレストア関連企業と技術支援、部品供給等の関係づくりも進めている。
今後は“乗って楽しむクラッシクカー”というコンセプトを具現化するため、同社の熟練技術者による整備プラン付のクラシックカー販売にも本格的に取り組んでいく。
レーシングコンストラクターであるマクラーレンオートモーティブは、レーシングモデルの570S GT4のロードゴーイングカー、620Rの国内初公開をはじめ、スーパーシリーズのフラッグシップである720Sスパイダー等が展示された。
※メイン写真は、主催者テーマ展示「60年代ルマンカーの凄みと美しさ」
■イベント会場の様子を動画でも紹介
(※動画内2分19秒頃に表示される「トヨタ セリカ GT-FOUR ST65型(1990 サファリラリー優勝車)」は間違いです。正しくは「トヨタ セリカ GT-FOUR ST165型(1990 サファリラリー優勝車)」です。表示に誤りがあり、誠に申し訳ございません。)