国土交通省(以下、国交省)は、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第181回会合において、初めて、自動運行装置(レベル3)に係る以下記載の国際基準が成立したことを公表した。
WP29は、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画している。今次第181回会合は、6月24日(日本時間深夜)にウェブ会議の形式にて開催された。
国交省は、自動運行装置等の基準化に向けて、日本では、WP29傘下の専門家会議等において共同議長等の役職を担い、官民オールジャパン体制で議論をリードし、6月24日、ウェブ会議の形式で開催されたWP29において、初めて自動運行装置(レベル3)、サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの国際基準が成立したと説明している。
<自動運行装置(レベル3)に係る国際基準>
- 乗用車の自動運行装置(高速道路等における60km/h以下の渋滞時等において作動する車線維持機能に限定した自動運転システム)
- サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデート
<自動運行装置の国際基準の主な要件>
- 少なくとも注意深く有能な運転者と同等以上のレベルの事故回避性能
- 運転操作引継ぎ警報を発した場合、運転者に引き継がれるまでの間は制御を継続。運転者に引き継がれない場合はリスク最小化制御を作動させ、車両を停止
- ドライバーモニタリングシステムの搭載。システムの作動状態記録装置の搭載
- サイバーセキュリティ対策
- シミュレーション試験、テストコース試験、公道試験及び書面審査を適切に組み合わせた適合性の確認
<サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの国際基準の主な要件>
- サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートに関する適切な組織体制の確保及び車両の対策
<国内の対応>
- 国内においては、2020年4月1日に今回の国際基準の成立に先行して、これと同等の内容の自動運行装置等の基準を施行している。