■後席やラゲッジスペースは実用性も十分

続いては後席ですが、リアドアの開口幅も広く、90°近く開きます。
ドアトリムも上部はハードプラですが、中央部分はステッチ付きの合成皮革で覆われるなど、質感面も良いです。
そして、スバルがこだわったと言う、リアドアシルに足をかけられるフラットスペースが用意されている点。
これにより、ルーフレールに載せた荷物などにアクセスしやすくなっているとのこと。たしかに。

フォレスターのリアシートの頭上高周りはかなりゆったりしていました。
身長173cmの私のドラポジに運転席をセットしても、後席膝前にはコブシ2.5個分くらいのスペースがあり、さらに後席のリクライニング機構も完備されているなど、後席の快適性も高いです。
シートバックポケットも2段式になっていて、運転席助手席両方にあります。
センターコンソール後端には、エアコン吹出口とUSBポート2口、さらにはリアシートヒーターまで完備!
RAV4にもリアシートヒーターは無いので、こういった装備面での実用性はフォレスターのほうが優れていますね。

最後にラゲッジスペースですが、パワーテールゲートはオプションです。
ラゲッジ開口幅は1300mmもあり、ラゲッジ容量も520Lを確保。
この時点でもかなり広いですが、フォレスターの良いところはラゲッジ側からも後席シートバックを倒すスイッチが付いている点。
RAV4にはラゲッジ側から倒すスイッチがないので、かなり手を伸ばしてシートバックに手をかけて倒す必要があります。

後席をたためば完全にフラットなラゲッジスペースになります。
対するRAV4ではやや後席シート側が斜めになっているのに対してフォレスターはフラット。
この点でもユーティリティはフォレスターが有利ですね。
■走りは以前のようなパンチはないが上質
続いてはドライブフィールですが、2.5L NAエンジンにリニアトロニックというスバル独自のCVTが組み合わされています。
このリニアトロニックが相当良い仕事をしており、CVTらしからぬダイレクト感のある加速を魅せてくれます。
エンジンルームからの静粛性はかなり高く、高速を100km/hで巡航していても、エンジンからはほぼノイズは聞こえません。
信号停止時の発進加速のみ、エンジンからの主張が聞こえる程度で、車速が乗ってしまえばほぼ無音に近いです。
さらにロードノイズも相当抑えられており、街中から高速まですべての領域で静かでコンフォート。これには驚きました。
試乗車はスタッドレスタイヤを履いていたので、これがサマータイヤならさらに静かな可能性もあります。
スバルの代名詞でもある「アイサイト」も、「アイサイト・ツーリングアシスト」へと進化しており、ver.3までのアイサイトではアダプティブクルーズコントロールの上限速度が100km/hでしたが、ツーリングアシストでは上限速度120km/hまで対応しています。
さらに、アクティブレーンキープ機能もステアリング制御力がアップしており、ver.3まででは60km/h以上の高速運転時ではないとアクティブレーンキープは作動しませんでしたが、ツーリングアシストでは0km/hからシステムが作動するように進化し、一般道や渋滞時でもレーンキープしてくれるようになったのはありがたいです。

ただ、フォレスターの走りは良い点だけではありません。
今回のフルモデルチェンジからターボ搭載車が無くなり、2.5L NAと2.0L+マイルドハイブリッドのe-BOXERのみとなりました。
それ故、往年のフォレスターのようなターボならではのパンチある加速力は味わえなくなりました。
ドライブフィールをRAV4と比較すると、ステアの応答性や静粛性、リニアな加速感、運転支援の動作の正確性など、フォレスターのほうが良いように感じました。
RAV4もフォレスターも、メインの市場は北米になるかと思いますが、RAV4のほうがより大陸的な乗り味で、ステア操作に対するボディ上屋の動きもかなりゆったりしています。
乗り心地自体も良いのですが、2.0L NAエンジンではやはり加速感に重さを感じる部分も多いです。
それに対してフォレスターは、2.5L NAなので余裕があるのもありますが、走りの味付け自体がもっとシャープで楽しさを感じるシーンが多かった印象です。
ドライブフィールは以下の動画でもインプレッションしています!
■フォレスターPremiumを試乗した感想、RAV4オーナーとしての評価は?
さて、各項目をRAV4と比較しながら見てみましたが、個人的な感想としては、「ボディサイズや装備の充実具合、走りの楽しさではフォレスター有利。ただ、ナビやコネクテッド系はRAV4のほうが便利。あとは見た目を許容できるか」と言った印象です。
フォレスターの弱点としては、車載通信器などがないため、昨今軽自動車にも付いているSOSコールのような機能もありませんし、トヨタのT-Connectナビでは、地図の自動更新ができる「マップオンデマンド」や、オペレーターサービスながありますが、フォレスターにはありません。
フォレスターではそうしたコネクテッド系は弱い印象ですが、それ以外の装備はかなり充実していてユーティリティも実用性が高いので、実用面を重視するならフォレスターも良いと思いました。
また走りや運転支援に関してもフォレスターのほうが優れていると感じる部分も多く、先代と代わり映えしないエクステリアが許容できるなら、フォレスターはかなり魅力的な一台になるのではないでしょうか。
新型フォレスターが気になる方は、お近くのスバルディーラーに足を運んでみてはいかがでしょうか?
[ドラヨス]
月間71万PVのブログ「ワンダー速報」と、月間330万再生以上のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、年に何台もクルマを購入してレビューするスタイルが好評。
ワンダー速報ブログ:https://wansoku.com/