ホンダ・シビックタイプR 今夏マイナーチェンジ クルマとの一体感を追求

業界ニュース 新車情報

本田技研工業は2月20日、今夏マイナーチェンジを予定している「シビックタイプR」の概要を公開した。2017年から発売されている現行モデルで初となるマイナーチェンジでは、冷却性やブレーキ制動力、サスペンションのセッティングを見直し、走る、曲がる、止まるすべてを面で大きく進化。さらに、軽量化や専用装備などでピュアスポーツ性能を追求した「リミテッドエディション」を、国内200台限定で発売することも併せて発表された。

 

■サーキット性能を強化

今回のマイナーチェンジでは、エンジン冷却性能、空力性能のチューニング、ブレーキ性能を向上させることで、サーキット性能に一段と磨きをかけた。

エンジンパフォーマンスに直結する冷却性能を高めるために、フロントグリルの開口面積を現行モデルから13%拡大し、ラジエターフィンピッチを現行の3・0mmから2・5mmに変更。ラジエターに効率良く空気を導入しながら、放熱性も向上させることでサーキット走行下における最高水温約10度の低下をさせた。

グリル開口拡大によるフロントダウンフォース減少に対応するため、フロントバンパースポイラーの形状や剛性を細部までチューニングすることで、現行と同等以上のダウンフォースレベルを実現している。

また、ブレーキディスクは2ピースのフローティング式を採用。2ピース化によりディスクの熱倒れが減少することで、サーキットでの連続走行におけるペダルストロークや踏力変化を大幅に低減させている。これにより、常に安定したブレーキフォールを保ちながら、2・5kgのバネ下重量低減によって運動性能向上にも寄与している。

 

■一体化とダイレクト感の進化

足回りは、アダプティブダンパーシステム制御、サスペンションブッシュなど、これまでのタイプRのマイナーチェンジでは手を入れない領域までアップデートを実施。コーナーアプローチから脱出まで一連のハンドリング性能や、荒れた路面での制振性・接地性をさらに高めた。

これによって、コーナーインでは吸い付くような操縦追従性、旋回からの加速ではよりスムーズで収まりの良い車両姿勢、ターンアウトでは強力なトルクを無駄なく路面に伝えるトラクション性を実現している。

加えて、起伏でのタイヤ接地荷重抜けを低減させることで、あらゆる走行シーンで接地性・制振性を向上させ、グランドツーリングとしての素養にも磨きをかけた。

■操作系素材の質感を統一

スポーツカーに乗るという“特別な時間”を充実させるため、インテリアの質感向上も図られた。

ステアリングはホンダ初のフルアルカンターラ表皮とし、握りの質感とフィット感を向上させ、車両の挙動をよりダイレクトに感じられるようにした。アルカンターラ表皮は本革より生地の肉厚が薄く、グリップ径が細くなることから裏地を2枚重ね、グリップ径を維持。素材に合わせた弾力性をチューニングすることで、質感と機能性を大幅に高めている。

また、タイプRを操る喜びの象徴とも言える6速MTは、シフトノブの形状を2007年モデルのタイプRから採用していた丸形から、ティアドロップに変更。手のひらにジャストフィットしながら、ショートストロークシフトにおけるノブ傾きの認識性や操作精度の進化を果たしている。

さらに、ノブ内部には90g分のカウンターウェイトを埋め込み、トランスミッション側の操作荷重、ノブ側の慣性重量バランスの最適化を図ることで。インギア時の収まりの良さも向上させた。シフトノブ一つの変更でありながら、シフトフィールを大幅に向上させ、ドライバーとの一体感に磨きをかけた。

■リミテッドエディション

タイプRの起源に立ち返り、軽量化や専用装備により、ピュアスポーツ性をさらに追求した「リミテッドエディション」を世界1000台、国内200台限定で発売する。

限定車は、ボディカラーに初代タイプRを彷彿とさせるサンライトイエローⅡを採用。専用鍛造ホイールはBBSと共同開発し、バネ下重量10kg減少させ、軽さと速さを研ぎ澄ませた。この鍛造ホイールの装着などにより、ベースモデルから23kgの軽量化を実現した。

また、タイヤは、ミシュラン・パイロットスポーツCup2を採用し、ダンパーやEPSなどはリミテッドエディション専用チューニングが施される。

なお、購入方法などは、順次先行公開ページで案内される。

Tagged