走りと使い勝手を両立! <2019年版>国産ステーションワゴン一覧

自動車 コラム・特集

高い人気を集めるSUVやミニバンとは逆に、近年勢いを欠くのが国産ステーションワゴンだ。ラインアップも徐々に減り、ワゴンファンには寂しいところ。欧州ブランドでは現在でも当たり前のようにラインアップされるのだが、国産モデルに関しては、いささか残念な状況となっているのが実情である。

だが走行性能の高さや取り回し性、優れた燃費性能など、ステーションワゴンならではの魅力もまだまだ多い。都市部なら立体駐車場に入ることもメリットの一つだろう。

そこで今回は各社の国産ステーションワゴンを一堂に紹介。積載性、居住性、走行性能などそれぞれ特徴があるから、好みの1台を十分に吟味して欲しい。

■トヨタ

・カローラツーリング


カローラフィールダーの後継として、9月に登場したばかりのニューモデル。グローバルモデルとのプラットフォーム統合で3ナンバーサイズになったが、国内の道路事情に合わせて国内モデルのボディはコンパクトにまとめられており、従来と同等の取り回し性を確保している。

パワートレーンは1.8Lガソリンと1.8L+モーターのHVを設定。1.2Lターボ+6MTの組み合わせも設定されており、走りの楽しさも期待できる。ガソリン車はFFのみだが、HVには4WDも用意されているので、雪道ドライブが多い人ならこちらが適しているだろう。また先進安全・運転支援技術も最新の「トヨタ・セーフティセンス」を搭載し充実。スポーティなスタイルも魅力だ。

荷室はデッキボードで上下2段に床面の高さを調整可能。荷室容量は2WD車で390L(+デッキアンダースペース2L)、後席を倒すと800L、4WD車は325L、後席を倒すと751Lとなる。裏面が樹脂で濡れた荷物も気にせず載せられるリバーシブルデッキボードを採用するなど、使い勝手も優れている。

・カローラフィールダー


新型「カローラツーリング」が3ナンバー化されたこともあり、5ナンバーサイズの従来型フィールダーも継続販売されている。グレードはぐっと絞られたものの、ガソリン、HVが選択でき、ガソリン車では4WDや5MTも選択できる。荷室容量は407Lで、後席を倒すと872Lになる。

走行性能や安全装備は新世代のカローラツーリングが上回るが、後席や荷室の広さは従来のフィールダーの方が上回っている。大量の荷物を積みたい人にとっては、まだまだ魅力的なモデルだ。

 

・プリウスα


3代目プリウスをベースにしたハイブリッド専用ワゴン/ミニバン。プリウスは4代目に進化したが、こちらはそのまま継続中。2011年の発売以来8年を経過する息の長いモデルだ。

2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様の2つの仕様が設定されている。スポーティ感を高めた「GR」シリーズの「Sツーリングセレクション・GR SPORT」も用意されている。

5人乗りワゴンの荷室容量は535L、後席を倒せば1070Lとなる。

 

■ホンダ

・ジェイド

3列シート6人乗りの乗用ミニバンとして登場したが、2018年5月のマイナーチェンジで2列シート5人乗りのワゴンも追加された。パワートレーンはHVとガソリンを設定。「RS」グレードはスポーツ性を高めている。荷室容量は440Lと車体サイズの割に控えめだが、その分、居住空間の快適性が高く、多人数での長距離移動が多いユーザーに向いているといえるだろう。

・シャトル


フィットをベースにした5ナンバーサイズのステーションワゴン。1モーター式「SPORT HYBRID i-DCD」のHVと1.5Lガソリンを設定。駆動方式はHV、ガソリンともにFFと4WDが選べる。コンパクトなボディだが、荷室容量は570Lと大きく、後席を倒せば1141Lにもなる。地上から荷室開口部までの高さも低く抑えられており、重い荷物も積みやすい。

■スバル

・インプレッサSPORT


現行モデルの登場は2016年10月。新世代プラットフォームを採用し、走行性能を大きく高めた他、アイサイトVer3の全車標準搭載、「歩行者保護エアバッグ」を日本車で初採用するなど、安全性も高められている。エンジンは1.6Lと2Lを搭載し、駆動方式はFFと4WDを設定。荷室容量は385Lとやや控えめの数値だが、開口部が広く実用性は高い。

今年10月にマイナーチェンジ。デザイン面の変更の他、アイサイトツーリングアシストが搭載されるなど、機能面でも大きく向上している要注目だ。

 

・レガシィアウトバック


ツーリングワゴンをベースにロードクリアランスに余裕を持たせたモデルで、いわゆるクロスオーバーSUVに当るが、実際の性格としてはステーションワゴンそのもの。ボルボのクロスカントリーに相当する位置付けだ。全長4820×全幅1840×全高1605㎜とボディサイズがやや大きく、荷室容量も559Lとゆとりがあるので荷物を満載してのアウトドアレジャーにも最適。最低地上高が200mmあるのも心強いポイントといえるだろう。

・レヴォーグ


海外市場向けに大きくなり過ぎたレガシィツーリングワゴンに代わり、日本の道路環境でも扱いやすいボディサイズとしたツーリングワゴンが「レヴォーグ」。スバルを代表する主力モデルだ。荷室容量522Lの大容量を備えるとともに、スバルでは初めて後席を4:2:4分割可倒式とすることで荷物に合わせたシートアレンジを可能にするなど、使い勝手も優れている。

エンジンは1.6Lと2Lを搭載。2Lは最高出力300psを発揮し、圧倒的なパフォーマンスを誇る。

■マツダ

・MAZDA6


マツダのフラッグシップセダン/ワゴン。19年夏のマイナーチェンジで車名も従来の「アテンザ」から「MAZDA6」に変更され、同時に2.5Lターボのガソリンエンジンも追加された。

これによりラインアップは充実し、ガソリンエンジンは2L、2.5LのNAと2.5Lターボの3種類、ディーゼルは2.5Lターボの中から選択することができる。ちなみに国産ワゴンの中でディーゼルが選べるのは、このMAZDA6が唯一の存在だ。

駆動方式はガソリンはFFのみだがディーゼルは4WDも用意されている。トランスミッションは速ATが基本だが、ディーゼルは6MTも選択することも可能となっている。

荷室容量は506Lとタップリしており、ゴルフバックも4個積載可能。上質かつ実用的な上級ワゴンである。