米国運輸省が主要自動車メーカー20社(新車販売台数の99%超を占める)と米国内で販売される新車につき、衝突事故を回避するために自動ブレーキを作動させる機能を2022年までに標準装備することで合意、この3月に発表した。
国連機関でも乗用車の衝突事故を避ける自動ブレーキに関する国際基準がまとまり、6月に発表され、日本でも新型車を対象に再来年11月から自動ブレーキの搭載義務付けすべく、最終調整に入った。性能要件も来年1月発行見込みの国際基準に合わせ、現行国内基準より厳格化する。
主要メーカー各社とはすでに調整済み、関係省庁との協議が整えば年内に正式決定となる。
国際基準では、時速40㎞で走行中、前方停車車両に衝突せずに止まる、同60㎞で走行中前方を同20㎞で走行中の車両に衝突しない、同5㎞で前方を横切る歩行者と衝突せずに停止する、という3条件を備えることが求められ、いずれにせよ、そのまま走ると4秒後に衝突する距離が起点となる。
国内でも昨年3月から始まった自動ブレーキの認定制度があるが、前方の走行車両に対するブレーキ性能を定めたもので、国際基準より緩かった。
搭載率は年々上がっており、2018年に販売された新車では84.6%であったが、メーカー・車種によりその性能はまちまちであった。
国民生活センターで行った自動ブレーキなど先進安全装置搭載車に対するアンケート調査(回答2000名)の結果を見ると、約25%が急加速・急減速など想定外の動作を経験したと答え、うち4分の1は他車や構造物にぶつかる物損事故を起こしていた。
信号停止などで、前車との間隔が様々なことでもわかるように、ブレーキを踏むタイミング、その強さなども人さまざまである。同じ基準がすべての人に合致するか、これらを踏まえた基準をできれば認めてもらいたいものだ。
有山勝利プロフィール
1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。