国産キャブコンとして、初めてフィアット・デュカトをベースにしたモデルとなった「V670」がいよいよそのベールを脱いだ。昨年のジャパンキャンピングカーショーで参考出品された時も盛り上がりを見せたが、今回の東京キャンピングカーショーでは市販モデルを出展し、注文の受付も開始。イベント随一の注目を集める存在となった。
V670は、バンテックの看板モデルである「ZIL(ジル)」の全長5.2mを大きく上回る6.7mという圧倒的なスケールを実現。エクステリアは、サイドボディやリヤのプレスラインやL字型テールランプなどが独自のキャラクターを印象づけ、今までの国産キャブコンとは一線を画す躍動感溢れるイメージを演出し、ひと目でV670と印象付けるデザインとした。
中でも注目なのが、専用設計されたオリジナルのエントランスドア。外からヒンジを見えないようにデザインすることで、キャンピングカーとは思えないような流麗なサイドビューを実現するとともに、半ドア状態でドアを自動的に閉めるオートクロージャー機能も採用し、高い実用性も備えた。
リヤには2m25cmの全幅を活かした大容量の荷室を完備し、長期旅行や大型積載物にも対応。また、荷室の扉は上に引き上げるタイプのスイング式を採用することで、駐車場などの狭い場所でも開閉ができるように配慮されていることもポイントとなっている。
センターエントランスを採用したインテリアは、フロントダイネットとリヤベッドというオーソドックスなスタイル。ダイネット部の前向きシートと横向きソファーは本革となっており、白基調の内装と合わせてフラッグシップに相応しい上質な空間とした。加えて、運転席と助手席は回転機構を備えており、回転させることで6名までテーブルを囲める空間を実現し、ファミリーユースでの使い勝手も高いレベルにある。
また、ダイネットスペースには液晶テレビを装備。室内から外の景色を楽しみたいときには、ボタン一つで格納することも可能だ。さらに、エントランスドアのガラスは、ボタン操作で透過ガラスとすりガラスに切り替えることもできるほか、室内照明の調光は専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットでも操作が可能となっており、デザイン性や利便性を兼ね揃えたユニークな仕掛けも見どころである。
後部には、マルチルームやキッチン、輸入モデルを思わせる150Lの大型冷蔵庫を装備。常設のベッドはダブルサイズのものとし、大人2名がゆったりと就寝できるスペースが確保されている。さらに、ベッドルームにはルームエアコンを標準装備し、天井部に網戸とシェードを備えたサンルーフが開放感を演出する。
今後は各地のキャンピングカーイベントにも順次出展予定となっているV670。バンテックの技術力が結集された1台を、ぜひその目で確かめてほしい。