三菱自動車とゲヒルン株式会社の2社は9月1日、、災害による長期停電や通信網の途絶に備え、防災情報配信サービスの継続と自治体への支援を目的とした災害対策車「特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)」を共同製作し、「特務機関NERV災害対策車両」5号機として同日から運用を開始したと発表した。
2社は、2019年12月に「特務機関NERV災害対策車両」整備計画の一環として、災害時においても電力と通信を独自に確保し、防災情報配信サービスを継続するための災害対策車両の運用を開始。
昨今では、地震や風水害が各地で相次ぎ、停電や通信途絶を前提とした災害対応の重要性がより高まり、避難所や災害対策本部における電源・通信の確保は、被災した自治体にとって共通の課題であり、電力を蓄えて移動し、必要な場所で使える電動車と、地上インフラに依存しない衛星通信を組み合わせた災害対策車両への期待は、これまで以上に拡大している。
今回共同製作した車両は、三菱自動車のクロスオーバーSUV「アウトランダー」プラグインハイブリッドEVモデル(以下「アウトランダーPHEV」)の特別仕様車「ブラックエディション」をベースに、SpaceX社の衛星通信サービスのアンテナを搭載し、地上の通信網が途絶した状況でもインターネットに接続できる他、内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室(以下「内閣府準天頂衛星システム戦略室」)から貸与を受けた、準天頂衛星「みちびき」を利用した衛星安否確認サービス「Q-ANPI」の端末を引き続き搭載し、みちびきを利用した災害用通信も確保。
5号機の配備に伴い、前型の4号機は運用を終了し、今後は「エクリプス クロスPHEV」をベースとした3号機と新たに配備する5号機の2台体制で運用され、両車両とも東京都千代田区に配備される。
同車両は今後、ゲヒルンの防災情報配信を支えるBCP(事業継続計画)の中核として運用するとともに、災害発生時には被災地・避難所等へ出動し、給電支援などの災害対応活動にあたる他、平時には全国各地の防災訓練や防災イベントに参加し、電動車を活用した災害対策のモデルケースを広
く提示し、「自助・共助・公助」それぞれの場面で電動車が果たせる役割を、多くの人々に周知する。
<今回の計画の3つの目的:自助・共助・公助が一体となった災害対策車両の製作>
① 特務機関NERVの防災情報配信サービスを単独・自力で継続
ゲヒルンは、特務機関NERV防災アプリ等を通じて防災情報を配信しているが、情報の発信側が機能を停止してしまうリスクを限りなく少なくする必要があり、停電や通信障害によって特務機関NERVのオペレーション拠点が情報配信機能を喪失した場合に、同車両を使用して電力と通信を独自に確保し、防災情報配信サービスを継続する。
② 近隣自治体の災害対策本部・避難所等への支援
特務機関NERVの防災情報配信オペレーションに支障がない場合には、被災地へ出動して災害対策本部や避難所などに、給電・充電サービス、IP電話サービス、Wi-Fiインターネット接続サービス、インターネットおよび「みちびき」の災害・危機管理通報サービスを利用した防災情報を提供する。
③ 防災訓練への参加、自治体や企業の災害対策モデルケースの提示
防災訓練や全国各地の防災イベント等への参加を通じて、PHEV、衛星通信サービス、「みちびき」の有用性を紹介し、同車両をモデルケースに自治体や企業が独自に電力や通信を確保する重要性を提示して、災害対策をさらに強化できるよう協力する。
<「特務機関NERV災害対策車両」5号機の主な特長>
① 災害時に必要な電力を確保する給電機能
アウトランダーPHEVの大容量駆動用バッテリーと給電機能を活用し、停電時でも災害対応活動に必要な電力を確保。災害対策本部や避難所等における電源支援、スマートフォン等の充電支援、防災情報発信に必要な機器の電源確保など、さまざまな用途での活用を想定している。
② 大容量駆動用バッテリーによる支援力の向上
今回導入した5号機のアウトランダーPHEVは、駆動用バッテリーの大容量化とEV航続距離の伸長により、平時の移動性能に加え、災害時の現地活動における実用性を向上。電力を蓄え、移動し、必要な場所で使えるPHEVの特長を活かし、災害時の支援力向上に貢献する。
③ 悪天候時にも頼れる電動4WD性能
前後ツインモーター4WDと車両運動統合制御システム「S-AWC」により、雨天時や降雪時などの不安定な路面環境においても安定した走行を実現。
また、路面状況や走行環境に応じて選択できる7つのドライブモードを搭載し、舗装路から雪道、悪路まで幅広い環境で高い走破性を発揮する他、寒冷地仕様を標準装備しており、厳冬期の低温環境における活動にも対応可能。
<「特務機関NERV災害対策車両」5号機 概要>
◆制式名称:特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)
◆ベース車両: 三菱自動車「アウトランダーPHEV」特別仕様車「ブラックエディション」
◆給電機能:100V AC電源(1500W)
◆通信設備:
- SpaceX社の衛星通信サービスによるインターネット接続サービス
- 準天頂衛星システム「みちびき」衛星安否確認サービスによる通信
◆運用開始日:2026年9月1日 東京エリア
◆運用管理者:ゲヒルン株式会社 技術開発部 危機管理局
- 届出電気通信事業者 A-23-12058
- 予報業務許可事業者(地震動) 許可第214号
- 気象庁キキクル通知サービス協力事業者
- Lアラート 一般情報伝達者・特別利用者
◆提供サービス
- 電源供給・充電サービス:「アウトランダーPHEV」の持つ給電機能により、照明電源の提供、パソコンや携帯機器の充電、炊飯器、電子レンジそれに電気ポットといった調理器具への電源を供給。
- Wi-Fiによるインターネット接続サービス:SpaceX 社の衛星通信サービスのインターネット回線を経由してWi-Fiサービスを提供することで、スマートフォンを持つ人にインターネットアクセスを提供。
- みちびきの衛星安否確認サービスによる安否・避難所情報の通信サービス:Starlink のインターネット回線とは別に、みちびきを利用した通信により避難所の状況を防災機関等に伝達。主に避難所の避難者および運営者に向けたサービス。



