メルセデス・ベンツ、Sクラスなど計23車種 9,362台をリコール

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メルセデス・ベンツ日本は6月30日、「S400d 4MATIC」「S500 4MATIC」計2車種の電気装置(リア信号検知制御モジュールコントロールユニット)に不具合があるとして計4,286台、「GLB180」「GLB200d 4MATIC」計2車種の前照灯(レベルセンサのリンケージ) に不具合があるとして計157台「GLE400d 4MATIC クーペ」「GLE450 4MATIC」「メルセデスAMG GLE53 4MATIC+」「メルセデスAMG GLE53 4MATIC+ クーペ」「メルセデスAMG GLE63S 4MATIC+」「メルセデスAMG GLE63S 4MATIC+ クーペ」「GLS580 4MATIC」「メルセデスAMG GLS63 4MATIC+」「メルセデス・マイバッハ GLS600 4MATIC」計9車種の電気装置(48V配線)に不具合があるとして計852台、「E220d」「E200d ステーションワゴン」「E220d 4MATIC ステーションワゴン」「GLE400d 4MATIC」「GLE400d 4MATIC クーペ」「CLS220d」「S400d 4MATIC」「GLS400d 4MATIC」「G350d」「G400d」計10車種の原動機(クーラントポンプ)に不具合があるとして計4,067台のリコールを国土交通省に届け出た。対象となる輸入期間は平成30年7月9日~令和4年4月5日。

「S400d 4MATIC」「S500 4MATIC」計2車種の不具合の部位は電気装置(リア信号検知制御モジュールコントロールユニット)で、リアSAM(信号検知制御モジュール)コントロールユニットの制御プログラムにおいて、設計が不適切なため、エンジン始動時に誤ってリアSAMの初期化が行われることで、関連するユニットの警告灯が点灯すると共に、リアドアのパワーウィンドウが作動しない、等の作動が制限されることがある。最悪の場合、テールランプユニットが正しく作動せず、後部の灯火類が点灯しなくなるおそれがある。改善措置は、全車両でリアSAMコントロールユニットの制御プログラムを対策プログラムに書き換える。不具合の件数は4件発生している。

「GLB180」「GLB200d 4MATIC」計2車種の不具合の部位は前照灯(レベルセンサのリンケージ)で、積載重量に応じて光軸を調整するリアアクスルのレベルセンサにおいて、製造時の組み付け指示が不適切なため、リンケージの向きが反対に接続されているものがある。そのため、積載時に前照灯の光軸調整が適切に行われず、対向車の運転手が眩惑するおそれがある。改善措置は、全車両でレベルセンサのリンケージを点検し、反対に接続されているものは正しい向きに接続しなおす。

計9車種の不具合の部位は電気装置(48V配線)で、助手席の下にある48Vのアース配線において、製造時の組み付けが不適切なため、端子の固定ボルトが適切な締付けトルクで取付けられていないものがある。そのため、走行中の振動等により導通不良が発生し、警告灯が点灯すると共に増加した電気接触抵抗により発熱して、最悪の場合、火災に至るおそれがある。改善措置は、全車両で端子の固定ボルトの締付けトルクを点検する。緩みや溶損がある場合は、損傷部位を新品に交換して適切な締付けトルクで固定する。

計10車種の不具合の部位は原動機(クーラントポンプ)で、ディーゼルエンジンに搭載されているクーラントポンプにおいて、軸受けシールの設計が不適切なため、作動の制御が行われている負圧回路へ冷却水が浸入し、負圧回路の関連部品が作動不良を起こすことがある。そのため、エンジン警告灯(MIL)が点灯する、出力が低下する、ブレーキ倍力装置の機能が低下する等の不具合が発生し、排気ガスの再循環装置(EGR)制御用の電磁バルブに作動不良が発生した場合においては、MIL点灯と共に排ガスが悪化し、更に短絡が発生すると発熱して周囲を溶損させることで、最悪の場合、火災に至るおそれがある。 改善措置は、全車両でEGR制御用の電磁バルブを新品に交換し、エンジンコントロールユニットの制御プログラムを対策プログラムに書き換える。また、負圧回路の点検を行い、冷却水やエンジンオ
イルが浸入している関連部品は、新品に交換する。不具合の件数は8件発生している。

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