BYDジャパン、新型電気バス2モデルを来年末発売へ

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BYD(比亜迪)の日本法人であるBYDジャパンは5月10日、日本市場向けの電気バス2モデル(J6とK8)のフルモデルチェンジを発表。同日より受注を開始し23年末より納車を開始する。

「J6(ジェイシックス)」は全長6.99mの小型電気バスで、2020年より各地で19台が活躍中。「K8(ケーエイト)」は、国内で最も多く走る全長10.5mの大型路線バス。両モデルの特徴は、昨年同社が開発したリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を搭載したこと。

J6

このブレードバッテリーは、まさに“刀”のような細長く平たい形状をしたバッテリーセルそのものを、バッテリーパックの一つの構成部品としていること。このため、従来必要だった部品も必要とせず、より多くのセルをバッテリーパックに収めることが可能となり、エネルギー密度も向上させた。

さらに、バッテリーの空間占有が約半分となり、座席や窓が増設可能もなり乗客の快適性も向上した。K8は室内がフルフラットになった。ブレードバッテリー搭載により両モデルは従来型より航続距離が伸び、乗車定員が増えた(J6=200㎞→220㎞、31名→36名。K8=250㎞→270㎞、81名→増加予定)。

K8の室内。車両後部までフロアの段差がない
J6はバッテリーの小型化により、車両後部に窓やシートが増設された

バッテリーの刷新でバッテリーの保証期間も延長され、従来の5年間または40万㎞までが、8年間または40万㎞までとなった。同社では「国内の公共交通が1日150㎞走行したとして、ひと月25~28日の営業でも5年で40万㎞に達しない」と試算。「新型では40万㎞たっぷりと保証させていただく」と安心して使用できることを強調した。

メンテナンス体制については、パートナー企業と連携し、効率的な研修でより多くの人が電気バスを“整備できる”ようにした。また、今回発表の新型車も含め、同社の日本仕様バスは国内で設計し、中国で生産。あわせて、国内の部品調達比率を高めている。さらに、京都と群馬に部品拠点を持ち、必要な部品が48時間以内に届く体制を整え、交通事業者をサポートする。

カーボンニュートラル実現に向け、交通事業者の電動化に対する意識が非常に高まり、同社では積極的に地域のニーズに応える車両開発を継続。2030年までに4000台販売の目標を掲げている。

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