独フォルクスワーゲンは2月1日(現地時間)、ツヴィッカウ工場を電気自動車専用の工場に転換を完了し、「ID.5」および「ID.5GTX 2」の正式な生産を開始したと発表した。
【デジタル化された高効率なモデル工場】
長い歴史を誇る同工場は、ドイツのザクセン州西部に位置し、世界中の量産工場の中で、内燃エンジン搭載車から電気自動車生産へと完全に転換することに成功した最初の大規模工場となった。
2018年以来、ツヴィッカウ工場を電気自動車生産のためにデジタル化、柔軟性に富み高効率なモデル工場に転換するために約12億ユーロを投じ、スマートインダストリー4.0の産業ロボットや、コンポーネントを完全に自動で組立ラインに運ぶ無人輸送システムといったテクノロジーを幅広く採用している。
投資額の4割弱は、ボディショップの強化と拡大のために費やされ、最先端ロボットの増加や組立ラインの自動化も約2倍となるなど、生産分野における人間工学が大幅に向上した。
【カーボンニュートラルな車両生産】
ツヴィッカウでは、サプライチェーンおよびプロダクションチェーン全体で、完全にカーボンニュートラルな方法で車両を生産。同工場では2017年の時点で、すでに外部電源を100%グリーン電力に切り替えており、「ID.3」の生産が2019年11月に開始されて以来、拠点の高効率コージェネレーションユニットおよび上流チェーン全体から発生する残りのCO2排出量は、公式に認められた基準に従って実施された認定気候プロジェクトを通じて、生産されたすべてのモデルで相殺されている。
【ツヴィッカウ工場での生産モデルおよび台数】
今後、モジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)をベースにした、フォルクスワーゲン「ID.3」「ID.4」「ID.5」、アウディ「Q4e-tron」「Q4Sportbacke-tron」、クプラブランド「Born」の6モデルを生産。生産能力は年間30万台以上になるという。
【2022年電気自動車の120万台生産を目指した生産基盤構築】
さらに本年、エムデン(「ID.4(アイディ.4)」)、ハノーバー(「ID.Buzz(アイディ.バズ)」)、チャタヌーガ(米国、「ID.4」)の各工場が、電気自動車の生産ネットワークに追加されるなど、フォルクスワーゲンブランドは、2022年にヨーロッパ、米国、中国の拠点で、MEBをベースとした電気自動車を120万台生産するための基盤を構築している。