【遠藤徹の業界ココに注目】電動化の主役はハイブリッド化から

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2030年に向けて電動化の流れが加速する趨勢になっているが、当面、国内においてはハイブリッド化が主役になりそうである。2022年のニューモデル展開はこうした動きの元年になりそうな雲行きが感じられる。

全体としてはハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)&燃料電池車(FCV)となっているが、国内ではハイブリッド以外はそれほどスムーズには推移していないことが伺える。2022年のニューモデル展開を予想すると、ハイブリッドに次いで目立つのは新型電気自動車となっている。

ハイブリッドは従来の量販戦略モデルが相次いで世代交代する。ハイブリッドとガソリンNA車を設定している車種は、これまでハイブリッドの販売構成比が30~50%にとどまっていたものを、70%以上に引き上げる方向で開発を進めている。大半のFF、4WDの両駆動モデルに拡大、車両本体の価格設定もこれまでのガソリンNA車に比べて50万円以上も高かったものを30万円程度に短縮する方向で検討しているためである。また、今後はガソリンNA車を廃止し、ハイブリッド専用モデルが数多く登場する方向にある。

EVも2022年春から後半にかけてニューカマーモデルが相次いで登場する。日産を筆頭にトヨタ、スバルが参入する。これまでのホンダ、マツダに加え、大半の乗用車メーカーがラインアップを揃えることになる。ただHVに比べると、普及率は当分1桁のパーセンテージで推移する見通しとなっている。絶対的な価格の高さ、充電インフラ、航続距離がまだ不十分だからである。航続距離は200~500㎞であり、長くなるほどコストが嵩むのがネックとなっている。

(遠藤 徹)

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