ミシュランの合弁企業アダップ社、金属3Dプリンターの最新機を発表

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ミシュランの合弁企業であるAddUp(アダップ、本社:フランス)は8月6日、同社のパウダーベッド式金属積層造形装置FormUp 350 (フォームアップ350)の最新機を発表した。同製品は、アダップ独自のモジュール式で金属3Dプリンティングの拡張性の高い設計コンセプトは変えず、今まで以上に生産性、再現性、安全性を高め、高品質な金属積層造形の技術の提供を実現している。なお、価格はオープンで、日本における展開は既に開始している。

【「FormUp 350」最新機の特徴】

  • 産業活用を想定した高品質な装置でありながら、高い拡張性によりR&Dアプリケーションから生産環境までのニーズをカバー
  • ローラーとスクレーパー両方のリコーティング機構を備えているため、微細な粉末から粗い粉末までが使用可能な唯一の金属積層造形装置
  • レーザー4本搭載、不活性ガス消費量の削減、モニタリングによる自動リコーティング等に基づく生産性の向上
  • 3軸制御により、マルチレーザー製造に必要な要素である高いレーザー焦点精度を完備
  • 完全に自律的な不活性粉末モジュールを備えた最高水準の安全・衛生な作業現場

また、アダップは2021年6月1日付で、航空機関連の製造オートメーション設備機械などを取り扱う株式会社富士インダストリーズおよび日本ミシュランタイヤの3社間協業に関する覚書を結び、この契約に基づき、富士インダストリーズではアダップの金属積層造形装置の国内正規販売元となり、アダップの国内展開の加速を図る。ミシュランは日本におけるアダップの技術サポートを担い、技術営業サポートおよびデモパーツ造形から、装置の組立・試運転を通じて、アフターサービスまでを支援する。

「積層造形」とは、立体物を輪切りにした断面データをもとに、樹脂・粉体などの薄い層を積み重ねて立体物を製作する技術のことで、3Dプリンティング、付加製造、AM(アディティブ・マニュファクチャリング)とも呼ばれ、複雑な形状が自由に成形可能となる。航空宇宙産業・自動車・医療分野等に幅広く適用され、金属材料を用いた部品への期待も高まっている。ミシュラングループは、タイヤ性能を向上させるため、この技術を金型製造に使用し、10年以上にわたる量産でのノウハウと知見を保有している。

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