プジョー、22年WEC参戦車「プジョー9X8」公開

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プジョーは7月6日、2022年のFIA世界耐久選手権(FIA WEC)でのデビューを目指し、最新世代のハイパーカー「PEUGEOT 9X8」(プジョー9X8)を発表した。なお、2022年のFIA世界耐久選手権には2台の「プジョー9X8」の参戦を予定している。

 

 

「プジョー9X8」は、1992年と1993年にル・マン24時間レースで勝利を飾ったプジョー905と、2009年にフランスのクラシックレースで優勝したプジョー908の直接的な後継モデルとなる。“9”は、ブランドのアイコンとなった「プジョー905」(1990年~1993年)と「プジョー908」(2007年~2011年)という、近年の最高レベルの耐久レーシングカーに採用されているネーミングを継承。“X”は、プジョーハイパーカーの全輪駆動技術とハイブリッド・パワートレインを意味し、モーターレーシングの世界におけるブランドの電動化戦略を体現している。“8”は、208、2008、308、3008、5008、PSE(PEUGEOT SPORT ENGINEERED)の名を冠した最初のクルマとなった508 PSEに至るまで、プジョーの現在のモデル名すべてに使われているサフィックス(接尾語)となる。

ハイブリッド・パワーユニットを搭載し、全輪駆動のトランスミッションを採用したプロトタイプは、ロードカーとレーシングカーの双方で環境問題に対して責任あるパフォーマンスを実現。フォルムとエアロダイナミクスは、プジョー・スポールのテクニカル・ダイレクターのオリビエ・ジャンソニ(Olivier JANSONNIE)の下で働く開発エンジニアと、プジョー・デザイン・ダイレクターのマティアス・ホッサン(Matthias HOSSANN)が率いるデザインチームの協力により開発。FIA(Fédération Internationale de l’Automobile) とACO(Automobile Club de l’Ouest)が策定した、耐久レースの主要カテゴリーであるLMP1の後継となるLMH(ル・マン・ハイパーカー)のレギュレーションに基づいたアプローチが行われ、流れるようなライン、リアウイングのないデザイン、力強いブランド・アイデンティティを備えたモデルとなっている。

エクステリアでは、彫刻的なホイールが、すっきりとしたシャープな構造のサイドの面とバランスのとれたラインを強調し、ウィングベントによってタイヤの上部は露出しており、完璧にインテグレートされたサイドミラーによって空気の流れが妨げられることなくマシンの上を通過することがイメージされるようになっている。また、フロントとリアのライティングシグネチャーは、3本の爪のようなストロークで構成されており、プジョーのロードカー同様のトレードマークとなっている。また、ブランドのあたらしいライオンヘッドロゴは、マシンのフロントとサイドにバックライトで表示され、ボディとコックピット内のセレニウム・グレーとクリプトナイト・アシッド・グリーン/イエローのコントラストでは、508と508 SWで導入されたあたらしいPEUGEOT SPORT ENGINEERED(508 PSE/508 SW PSE)のカラースキームを反映している。

リアエンドのデザインは、ブランドの特徴であるクローエフェクト・ライティングが施されており、リアライトはワイドなディフューザーを挟むように配置され、その上に「We didn’t want a rear wing」と書かれている。半世紀以上にわたって採用されてきたリアウイングを無くすことで、流麗なシルエットを自由にデザインすることが可能となり、ダイナミックで彫刻的なシェイプを調和させてホイールアーチの間にすっきりとした面を造形した。

PEUGEOT HYBRID4 500KWパワートレインを構成する内燃機関であるリアに搭載された2.6ℓツインターボ、500kW(680馬力)の90度V6エンジンは、ベルサイユにある工場において4月からベンチテストが行われ、フロントに搭載された200kWのモーター・ジェネレーター・ユニットと7速シーケンシャル・ギアボックス、バッテリーについては、ベンチテストの検証スケジュールに沿って組み立てられている。このパワフルで技術的に洗練された高電圧(900ボルト)高密度バッテリーは、プジョー・スポールとトタルエナジーズの子会社であるサフト(Saft)が共同開発を行っている。

【「プジョー 9X8」テクニカルデータ】

  • クラス:ル・マン・ハイパーカー(LMH)
  • 全長:5,000mm
  • 全幅:2,080mm
  • 全高: 1,180mm
  • ホイールベース:3,045mm
  • パワートレイン:PEUGEOT HYBRID4 500KW (全輪駆動)
  • リアドライブトレイン:500kW(680hp)、2.6ℓツインターボ90度V6、ガソリン内燃機関+7速シーケンシャルトランスミッション
  • フロントドライブトレイン:200kW 電動モータージェネレーター+1速減速機
  • バッテリー:プジョー・スポール、トタルエナジーズ、サフトの共同開発による高
  • 密度の900ボルトバッテリー
  • 燃料と潤滑油 :トタルエナジーズ
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