今秋登場の新型NX その進化点を現行モデルと比較

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 6月12日に世界初公開され、今秋日本での発売予定がアナウンスされた新型レクサス・NX。2014年のデビューから初のフルモデルチェンジとなる新型NXを、現行NXと比較して進化した部分を見ていきたい。

 

■全幅は1850mm超えに

 

新型(現行比) 現行
全長 4660mm(+20mm) 4640mm
全幅 1865mm(+20mm) 1845mm
全高 1640mm(+5mm) 1635mm
ホイールベース 2690mm(+30mm) 2660mm

 

新型NXと現行NXと現行のボディサイズは上記表の通り。新型ではTNGA GA-Kプラットフォームを採用し、ボディサイズが拡大された。スペック的には現行モデルとほぼ同じサイズだが、全幅はいよいよ1850mmを超えた。全幅1850mmは、都市部や一部の機械式駐車場の制限値になっていることが多く、こういった事情で購入を見送らざるを得ないユーザーも出てきそうだ。

ちなみに、同じGA-KプラットフォームのRAV4は全長4600mm×全幅1855mm×全高1690mm ホイールベース2690mm、ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm ホイールベース=2690mmとなっており、全長以外はほぼ大きさとなっている。

■大きく変わったリヤデザイン

エクステリアは、レクサスでお馴染みのスピンドリルグリルを起点に大きく張り出しながら、リヤフェンダーに向かう立体的な造形は不変。ただ、グリル面を垂直に立てメッキ枠を廃止したことで、より塊感が強調されている。現状詳細なグレード展開は不明だが、グリルの意匠が異なるF SPORTとそれ以外のものが今回イメージで公開されていたので、おそらく現行通りF SPORTとversion Lは継承されるものと思われる。

加えて、現行では18インチのみだったタイヤサイズが一部グレードで20インチに大径化され、足元からもSUVらしい存在感を表現している。

大きく変わったのはリヤのデザインだ。コンビネーションランプは水平基調のデザインで、昨今のトヨタ・レクサス車と共通するが、リヤに配されたレクサスエンブレムは無くなり、「LEXUS」とブランド名が入っているのは新鮮。また、テールゲート全体の面構成も現行モデルよりシンプルになり、モデルチェンジによって見た目が変化したポイントは、フロントよりリヤの方が多く見て取れる。

■「手綱」に着想を得たコックピットデザイン

インテリアは、エクステリア以上に変化が感じられる。コックピットは、2019年に発表したコンセプトカー「LF-30 Electrified」で発表した「Tazuna Concept」に基づき、人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得てデザイン。現行NXと現行では装備されていないヘッドアップディスプレイとステアリングのタッチセンサースイッチを組み合わせた新たな操作方法「タッチトレーサーオペレーション」を採用し、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携。視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の制御が可能な空間を実現したという。

さらに、ディズプレイは10.3インチから14インチに大型化。現行ではセンターコンソールのシフトノブ付近に配されていたトラックパッドが無くなっており、操作方法は画面へのタッチのみとなった模様だ。

加えて、現行ではトラックパッドと同様にセンターコンソールに設けられていたドライブモードセレクトのダイヤルは、ステアリング周辺に位置が変更されていることもイメージから分かる。

■パワートレーンは2種類から4種類に レクサス初のPHEVも設定

パワートレーンは、現行の直4 2.0Lターボ、直4 2.5L+モーターのハイブリッドの2種類から、新開発の直4 2.4Lターボ(AWD)、直4 2.5L(FF/AWD)、直4 2.5L+モーターのハイブリッド(FF/E-Four)と、レクサス初のPHEV(E-Four)の4種類を設定。PHEVは大容量・高出力リチウムイオンバッテリー、フロント・リヤモーターを搭載し、バッテリーは総電力量18.1kWhを備え、RAV4 PHVとほぼ同じスペックとなる。

ガソリンモデルには、新開発の高トルク対応型Direct Shift-8AT、新開発の電子制御フルタイムAWDを採用。電子制御フルタイムAWDは、前後駆動力配分を75:25から50:50までシーンに応じて常時可変、高い接地感とリニアなステアリングフィールを独自の技術で両立する。

パワートレーンだけでなくプラットフォームも一新され、乗り心地や静粛性の向上も期待されるところ。このあたりの質感は、実車のインプレッションでじっくりと確かめてみたい。

■世界初・レクサス初の機能を実装した先進装備

運転支援機能は最新の「Lexus Safety System +」を採用。ドアのラッチ/アンラッチを電子制御で行なうe-ラッチシステムとブラインドスポットモニターを組み合わせた、停車時のドア操作に起因する事故防止に貢献する「安心降車アシスト(ドアオープン制御付き)」を世界初搭載した。

このほか、スマートフォンを介してロック/アンロック、エンジンスタートなどの車両操作ができるデジタルキー、スマートフォンにより車外からの遠隔操作を可能とし、不慣れな場所や狭い場所での駐車を支援する、レクサス初のリモート駐車機能付き「Lexus Teammate Advanced Park」を採用している。

このように、デザイン、装備、安全性など全方位で大きく進化を遂げたレクサス・NX。気になる国内の発売時期は2021年秋頃とアナウンスされただけで、詳しい時期については判明していない。半導体供給などの問題もあるので、発売スケジュールが見直される可能性もないとはいえない。価格も含め、今後の動向が楽しみなところだ。(編集部)

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