日産、新型「キャシュカイ」にアルミ部品のクローズドループ・リサイクルを適用

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日産は5月28日、欧州で生産する今夏発売予定の新型「キャシュカイ」にアルミ部品のクローズドループ・リサイクル  プロセスを適用すると発表した。クローズドループ・リサイクルとは、生産時に発生した廃棄物やスクラップ、そして回収した自社の使用済み製品を同等の品質を維持した材料として再生し、再び自社製品の部品に採用する手法のこと。

 

「キャシュカイ」はCセグメントのコンパクトSUVで、初代モデルは「デュアリス」として国内でも販売されていたモデル。2代目からは海外専売車種となり、今夏に発売される新型は3代目となる。

 

新型「キャシュカイ」は、フード、ドア、フロントフェンダーにアルミニウム板を採用するなど、旧型車と比較して約60kgの軽量化を実現ししたことにより、CO2排出量の削減とともに、将来の電動パワートレイン等の新技術の搭載が可能となる。英国のサンダーランド工場では、これらのアルミニウム部品を製造する設備として、昨年導入した2台目の超大型プレス機と、リサイクル用の大型エア搬送システムを設置。フードやドアを型抜きする際に発生する金属スクラップは、このエア搬送システムにより細断され、裁断されたスクラップは、時速150kmというスピードで排出され、1時間で7トン以上のスクラップを処理することが可能となっている。

 

処理されたスクラップは、アルミニウムの材種毎に区別された状態で回収されるため、高品質のスクラップをサプライヤーに還元することができ、還元されたスクラップは再びアルミ板に加工され、新型「キャシュカイ」のパネル部品を含む日産の生産用アルミとして再出荷される。アルミスクラップをリサイクルすることで、原材料から同量のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上を節約できるほか、新規採掘資源の使用量削減にも繋がっている。

 

日産では2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げており、その達成にクローズドループ・リサイクルのプロセスも寄与している。同プロセスは、北米の新型「ローグ」を生産する日産自動車九州と北米日産スマーナ工場にも採用されており、同社は今後、その他の工場や車種にもこのプロセスの適用を拡大することを検討すると述べている。

 

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