独ボッシュ、燃料電池でQingling Motorsと協業 中国全自動車メーカーへの提供を視野に入れた燃料電池システムの合弁会社を設立

all 業界ニュース

独ボッシュは、中国のプレミアム商用車メーカーのQingling Motors(慶鈴汽車)と、合弁会社Bosch Hydrogen Powertrain Systems(Chongqing)社を設立したと発表した。ボッシュは燃料電池に関する自らの専門知識を、Qinglingにおいては小型から中型・大型トラックにまでおよぶ完全な製品ポートフォリオを有し、電動化と燃料電池に注力するプレミアムメーカーとして、商用車のノウハウと中国のトラック市場における長年の経験を提供する。

 

新会社では中国市場向けに、燃料電池パワーモジュールと呼ばれる燃料電池システムの開発・組み立て・販売を行う。今回の協業は、両社のテクノロジーと市場における専門知識を組み合わせることで、中国の燃料電池市場の発展および中国自動車業界の転換に貢献することを目的としている。中国自動車エンジニア学会(China-SAE)が発表した「省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ2.0」によると、中国では2030年までに燃料電池車の保有台数が100万台以上になると見込まれており、合弁会社では中国の全自動車メーカーに燃料電池システムを提供することを目指すとしている。システムに必要となる燃料電池スタック、パワーエレクトロニクス付きエアコンプレッサー、センサー付きコントロールユニットなどのコンポーネントは、主としてボッシュの無錫工場から供給される予定で、年内に小規模生産が開始される見込みだという。同じく年内に、ボッシュの燃料電池パワーモジュールを搭載した70台のQingling製トラックのテスト車両が公道走行を開始する。なお、燃料電池システムの市場投入は2022年から2023年を計画している。

 

ボッシュは、水素の将来性を確信して同分野に継続的に投資しており、中国での燃料電池事業によって開発コンピテンスをすでに構築している。昨年は無錫に燃料電池センターが建設され、現在は合弁会社にも供給予定のコンポーネントに必要な生産能力の準備に取り掛かるなど、ボッシュは中国市場での取り組みを強化している。

Tagged