ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等の電動化の動きは、開発する自動車メーカーでは加速し、採用車が相次いで登場しているが、購入するユーザーはHVへの乗り替えは急速に高まっているものの、次のステップとしてのPHV、EVやFCVとなると、まだまだ鈍く、本格的には10年以上も先のように思える。政府筋では2030年までには100%ガソリン車を廃止するとの方針を打ち出しているが、それを実際に進めるのは難しいと思われる。
HVの比率が、ガソリンとの併用モデルについては急速に高まっているのは事実である。100%ガソリン車を廃止するとの方針がまことしやかに流れているのも、影響を受けているのかも知れない。これまで併用モデルのHVの販売構成比はせいぜい50%程度にとどまっていたが、最近は80%まで高まるモデルも出始めている。EV走行可能なストロングハイブリッドも日進月歩で改善され、EV走行可能な範囲が大幅に拡大されつつある。こうした動きがさらに進捗すれば、地球温暖化は大幅に改善されるに違いない。
懸念されるのは、仮にガソリン100%車がゼロにできたとしたら、化石燃料の精製バランスに大きな影響を与えるが、こちらの解決策はどうなるのだろうか。ガソリンがだぶつき、輸出でカバーする等といった事態になるのではないだろうか。原油の消費量全体が少なくなるのがベストだが、化学製品は必要であり、こちらの代替をどうするかも課題になるような気がするが、こうした他方面に波及する問題はどうなるのだろうか。
(遠藤 徹)