トヨタ、豊田章男社長が東京2020オリンピック聖火リレーに参加

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トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は4月6日、東京2020オリンピック聖火リレーに参加した。豊田氏は「チームスペシャルオリンピックス」から聖火を受け継ぎ、テレプレゼンスロボットを使って聖火リレーに参加した高校一年生の鈴木俊介さんへとつないだ。

 

「チームスペシャルオリンピックス」は、知的障がいのある人たちに日常的なスポーツトレーニングと、その成果発表の場である大会、競技会を提供し、社会参加を応援する国際的なスポーツ組織。トヨタはその理念に共感し、2018年からグローバルパートナーを務めている。

 

聖火リレー参加に際し、豊田章男社長はメッセージを発表した。

 

<豊田章夫社長 メッセージ全文>

今回、私たちは「スポーツを通じた平和で差別のない社会」、「すべての人が参加できる社会」を実現するというオリンピック・パラリンピックの精神を胸に、聖火ランナーを務めました。

第一走者を務めたのが「チームスペシャルオリンピックス」です。このチームは、スペシャルオリンピックス日本の三井嬉子会長をリーダーに、その活動をサポートする様々なジャンルのスポーツ選手で構成されています。

「すべての人に開かれた垣根のない世界の実現を願っています。誰もが参加できるスペシャルオリンピックス・ユニファイドスポーツはそのインビテーションなのです」スペシャルオリンピックス国際本部のティモシー・シュライバー会長のこの言葉が、私の胸にずっと残っております。

私は学生時代、グランドホッケーに出会い、ホッケーに明け暮れる毎日を過ごしました。「豊田」という名前に生まれた私は、相手から先入観をもって見られることが多く、常に「素の自分を見てもらいたい」という気持ちがありました。しかし、スポーツをしている時だけは、「人間 豊田章男」として、一人のチームメイトとして接してもらえたのです。

様々な個性をもった人が同じ目標に向かって競い合い、リスペクトしあう世界を築くことができるのがスポーツの力だと思います。スポーツとの出会いが、私自身の生き方、考え方を変えるきっかけとなり、その後の人生も変わったと思っております。

私にとって、「チームスペシャルオリンピックス」から受け継いだ聖火は、まさに「垣根のない世界を実現するためのインビテーション」のように思いました。このインビテーションを、私がつないだ走者が高校一年生の鈴木俊介さんです。

鈴木さんのおじいさんは、トヨタの元陸上部員で、1964年の東京オリンピックで聖火ランナーを務められたご経験をお持ちです。鈴木さんは、足が不自由であっても、テレプレゼンスロボットを使って聖火リレーに参加できることを知り、今回、聖火ランナーになられました。

鈴木さんが大のラリーファンであり、大のモリゾウファンであることを知った私は、2020年3月に彼とお会いし、そこで「おじいさんにも一緒に伴走してもらい、本番でもトーチキスをしましょう」という約束を交わしました。

本日、鈴木さんとトーチキスを交わした時、「1年越しで約束を果たせた」という安堵感と同時に、未来の技術が「垣根のない世界」の実現にお役に立てるということを実感いたしました。

「すべての人に開かれた垣根のない世界を」「すべての人に移動の自由を」。この想いを込めて、私たちは聖火をつながせていただきました。

 

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