ダイハツ他8社で構成する「生物多様性びわ湖ネットワーク」が、「日本自然保護大賞 2021」で大賞を受賞

all 業界ニュース

ダイハツ、旭化成株式会社、旭化成住工株式会社、オムロン株式会社、積水化学工業株式会社、積水樹脂株式会社、株式会社ダイフク、ヤンマーホールディングス株式会社8社で構成する「生物多様性びわ湖ネットワーク(以下、BBN)」は3月2日、公益財団法人 日本自然保護協会が主催する「日本自然保護大賞 2021」の教育普及部門で大賞を受賞したと発表した。

 

「日本自然保護大賞」は、日本自然保護協会が2014年度から自然保護と生物多様性保全に大きく貢献した、すべての個人と団体、企業、自治体等を表彰するものとして開始した表彰で、7回目の開催となる今回は、応募のあった129件の活動から、保護実践部門、教育普及部門、子ども・学生部門の3部門の大賞が各1件、特別賞である沼田眞賞1件、選考委員特別賞2件、入選20件が、1月18日に発表された。3月13日にオンラインで開催される授賞記念シンポジウムでは、大賞および特別賞の合計6件について活動成果の発表が行われる予定となっている。

 

今回、教育普及部門の大賞を受賞したBBNは、滋賀県に拠点を持つ異業種の企業8社が、滋賀県の生物多様性を保全することを目的に、2016年に発足した任意団体で、今回の受賞につながった「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!~」と題したプロジェクトを2016年から開始し、県内で確認されている100種のトンボを指標とした生物多様性保全活動を展開している。プロジェクトでは、「滋賀県のトンボ100種を探そう!」「滋賀県のトンボを守ろう!」「みんなに知らせよう!」の3つの作戦を掲げて、各企業の持つ緑地や湿地、池の管理や定期的なモニタリング、周辺地域の自然の現状把握、ビオトープの整備や外来生物の駆除、自然観察会や活動の展示・発表などに取り組んでいる。2020年からは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)によるトンボの特徴や生息環境を公開するなど、積極的な発信に取り組み、企業・団体の参画拡大や生物多様性の保全意識の向上を目指している。

 

BBNは今回の受賞について、琵琶湖をフィールドに8社の企業が連携し、「トンボ」という一般にも分かりやすいテーマを設定することで、活動の広がりをもち、地域の生物多様性の向上と普及啓発活動を合わせて実現していることが評価されたと述べている。

 

【「トンボ100大作戦」の主な活動】

トンボは、幼虫の時期は水辺、成虫の時期は陸上といったように、多様な環境を利用している。BBNは、「トンボ100大作戦」の活動が、水辺を中心とした環境保全につながり、結果的に多様な生物種を含む生態系、ひいては生物多様性全体の保全に寄与すると考えており、3つの作戦を掲げている。

 

<作戦①:「滋賀県のトンボ100種を探そう!」>

専門家の協力のもと、地域住民、各社従業員でトンボを採集・観察し、地域の自然の現状把握、希少種や生息状況のデータを収集。その結果を専門家と共有し、地域・企業間での交流を行っている。5年間で78種のトンボを確認した。

 

<作戦②:「滋賀県のトンボを守ろう!」>

作戦①での調査結果を踏まえ、各社で保全対象の「推しトンボ」を選定し、各社内の緑地、湿地、池等の保全区域の設定と管理、池への浮島設置や浅瀬の創出、ビオトープ整備や定期的なモニタリング調査、水質改善のための池干し、生息環境改善のための外来生物駆除などの保全活動を実施している。

 

 <作戦③:「みんなに知らせよう」>

自然観察会、琵琶湖博物館での活動展示、シンポジウムなどでの発表、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じて、保全活動の取り組み、トンボの特徴、生息環境などの情報を幅広く発信することで、社会に現状を伝え、保全の意識向上を目指した啓発活動を行っている。 

Tagged