スズキ財団、令和2年度の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として1億3,385万円の助成を決定

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公益財団法人 スズキ財団は2月19日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、令和2年(2020年)度の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として59件、1億3,385万円の助成を決定した。その他の助成と合わせ、本年度の助成総額は1億3,843万円となる。

 

スズキ財団はスズキ株式会社が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、2011年4月1日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となった。研究助成は本年で41回目となる。

 

①科学技術研究助成について

本年度の科学技術研究助成は、生産関連技術、環境・資源エネルギー関連技術、計測・制御・解析関連技術、材料関連技術、電気・電子・情報関連技術、人間工学・医療関連技術、ロボット関連技術、リサイクル関連技術の8つの研究分野を対象に公募され、一般33件、35歳以下若手22件、計55件の研究テーマへの助成を決定した。いずれも独創的、先進的な研究開発テーマで、総額1億59万円を助成する。

②課題提案型研究助成について

同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、2003年度より、時代の要請であり、かつ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去18年で37件の研究助成を行った。令和2年度は、自動車に代表される移動体の情報・通信、および移動体の制御に関して、解決すべき課題とその解決方法に向けた方策の提案を受けた。具体的には、1)「自動運転技術の物流拠点における適応を目指した移動物体認識技術の開発」、2)「ゲートウェイ用低コスト高セキュリティ省電力Switch-IPの開発」、3)「路面摩擦係数のリアルタイム測定が可能なインテリジェントタイヤによる車両制御の実現」、4)「次世代移動体用 磁気式内部力補償ブレーキ機構・制御の技術開発」を採択した。本年度は新規決定の4件と昨年度までの4件の継続分を合せ、総額3,326万円を助成する。

③研究成果普及助成について

同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催に対して会場費用等を助成しているが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3件の助成に留まった。また研究者の海外学会等への渡航・宿泊費の助成については、応募がなかった。

④研究留学者の受け入れ助成について

同財団では、ハンガリー、インドからの研究者の招聘を行っている。本年度は、ハンガリーブタペスト工科経済大学から2名、インド工科大学ハイデラバード校から3名、インド工科大学デリー校から1名の計6名の研究留学者の招聘を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、次年度に延期された。

 

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