どう変わる?新型ヴェゼル、2月正式発表前にデザインの一部を公開

all 自動車 新車情報

コンパクトSUVとして、2013年の発売以来高い人気を集めているホンダ・ヴェゼルがいよいよフルモデルチェンジ。1月18日にはティザーサイトがオープンし、その一部が披露された。2月18日の正式公開が今から楽しみなところだ。
<関連記事>ホンダ、新型「ヴェゼル」をホームページで先行公開 ワールドプレミアイベントをオンラインで実施

新型ヴェゼルは、よりスタイリッシュに変身?

今回公開された新型ヴェゼルの画像は、リヤ外観や室内の各部などごく一部。全体のスタイルは2月の正式発表で披露される予定だ。したがって、新型ヴェゼルの全体像をお伝えできるのはまだ先のことになるが、ここでは販売店からの情報も加え、判明していることを紹介しよう。

まずスタイルだが、今回公開されたリヤの画像を見る限り、現行モデルよりもさらにクーペ調のスタイルを強調したものになるようだ。現行型は垂直に近いリヤウインドウの角度が、新型ではかなり寝た感じになり、またヘッドランプも横長の形状を採用するなど、現在のトレンドがしっかりと取り入れられたものになりそうである。あくまでリヤを横から見た印象だけになるが、トヨタのヤリスクロスに近いイメージだ。つまりキャラクターとしては、これまで以上に都市型SUVとしての性格が強くなりそうである。

上が新型ヴェゼル、下は現行ヴェゼルのリヤ部分。リヤゲートの角度が大きく異なることがわかる

ボディサイズは現行モデルとほぼ同じ。全長は少し長くなり、全高は若干低くなるが、全幅とホイールベースは変わらないという。というところから見ると、プラットフォームは先代から踏襲するものと予想される。これは、昨年モデルチェンジされた新型フィットも同じパターン。現行ヴェゼルは先代フィットをベースにしていたが、新型ヴェゼルも新型フィットベースという点は変わらないといえるだろう。

従ってパワートレーンも新型フィットとほぼ同じものが搭載される。1.5L+2モーターのハイブリッド(e:HEV)と、1.5Lのガソリンの2本立てとなるが、ガソリンは1グレードに集約され、HVが主力となる。現行モデルのHVは、トラブルも多かった1モーター式のi-DCDということで敬遠する人も少なくなかったが、新型では2モーター式のe:HEVとなることで、安心して乗ることが出来るだろう。なお、スポーティ感を強めた「RS」グレードは廃止。これも新型フィットと同様だ。

スタイル全体としては、全長を伸ばし全高を下げたことで、現行モデルより伸びやかなものとなりそうだ。重心が下がることで走行性能の向上も期待される。ただ、これまでヴェゼルの強みだった居住空間や荷室容量が、スタイルの変化でどう変わるかはまだ不明。これは実際に新型が登場してから確認したい。

装備面は、ほぼ新型フィットと同様となりそう。最上級グレードではホンダ・コネクト対応ナビやグラストップルーフなどが標準装備されるなど、かなり充実したものとなる。LEDヘッドライトやシーケンシャルターンランプなども装備し、最新SUVらしく、流行の装備は一通り搭載されるので、ライバルと比較しても見劣りすることは無さそうだ。

価格は現行モデルに比べ、ややアップする予想。ただし装備が充実する分、これは仕方ないところだろう。

打倒ヤリスクロスとなるか?検討ユーザーは早めに動きたい

実用性に優れたコンパクトSUVとして、2013年末の登場から大ヒットとなったヴェゼル。BセグとCセグの中間というボディサイズも絶妙で、当時はライバルらしいライバルが存在せず、いわば独走状態を続けた。が、当然このコンパクトSUV市場を各社が見逃すはずがなく、現在はロッキー/ライズ、ヤリスクロス、C-HR、日産キックスなど競合車が増え、大激戦区に。その中でヴェゼルは、登場から7年を経過したモデルとしては健闘しているが、競合車と世代が異なるだけに苦しい状況となっている。そのモデルチェンジはユーザーにとっても、販売店にとっても「待望の一新」といえるだろう。

さてヴェゼルは、コンパクトカーの「フィット」をベースにしたSUVだ。この関係はトヨタの「ヤリス」と「ヤリスクロス」に相当する。20年12月の新車登録台数でヤリスはシリーズとして1万7198台で登録車首位に立っているが、内訳はヤリスが7470台、ヤリスクロスが8910台、GRヤリスが818台となっている。この結果から見ると、現在はコンパクトカーよりもコンパクトSUVに人気が集まる傾向にあるといえるだろう。

もちろんパーソナルユース向きのヤリスと、ファミリー向けのフィットではまったく同じにはならないが、同様の傾向になることは予想される。12月新車登録台数のフィットは6726台、ヴェゼルは2205台でフィットの台数が約3倍も上回っているが、新型ヴェゼルの登場でフィットを上回る人気となる可能性もある。7年ぶりの一新のため、ヴェゼルからヴェゼルに乗り換えるユーザーも多いものと予想され、好調な立ち上がりとなりそうだ。

またヤリスクロスの場合、下にライズ、上にはC-HR、RAV4、ハリアーが存在するのに対し、ヴェゼルは下位に相当するモデルがなく、上はCR-Vがいるもののまったくの不人気モデル(12月の実績はたったの460台だ)であるため、結果として人気が集約されることも好材料といえる。ただしカバーする幅が広い分、難しい面もある。ホンダの場合、少し上位のクラスまでカバーしようとする傾向があるが、上級志向を強めすぎると失速する可能性もある。

いずれにしてもコンパクトカーSUVを牽引してきたモデルだけに、注目度は高い。特に立ち上がりは受注が集中し、納期が遅くなる可能性が高いので、購入を検討しているユーザーは早めに動いた方が良さそうだ。(佐々木耕二)

Tagged