2021年、ますます高まる電動車の存在感

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新政権が2050年に温室効果ガス排出“実質ゼロ”を掲げ“2030年代にはガソリン車の販売中止を検討”とも報じられ、クルマの世界では電動車の存在感がますます高まり、今年発売される新型車や、フルモデルチェン車は“電動車”なしには考えられないだろう。今年注目を集めそうな電動車をピックアップしてみた。

ここで改めて確認しておきたいのは、現在のクルマにおける電動車の定義。電動車=電気自動車“だけ”ではないということだ。

ガソリン(あるいはディーゼル)エンジンで発電、あるいは、減速時のエネルギーを電気に変えて電池に蓄え、モーターの力で駆動するハイブリッド車や、プラグインハイブリッド車も“電動車”である。

この他、水素と酸素の化学反応で発電し、モーターで走る燃料電池自動車も電動車。つまり、電動車には電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)と四つのタイプがある。

トヨタ・MIRAI

セダンタイプのFCV《トヨタ・MIRAI(ミライ)》は、昨年末に第2世代へフルモデルチェンジ。新型はロー&ワイドが強調され大径タイヤを装着し、何よりスタイルが洗練された。燃料電池システムも高性能化・小型化され、5名乗車も実現。水素搭載量も増え航続距離が850㎞まで延びた(一部グレード)。

日産・ノート

コンパクトハッチバックの《日産・ノート》は、発電専用のガソリンエンジンを搭載し、その電気を電池に蓄えモーターで走る、シリーズハイブリッドと呼ばれる電動車だ。

アクセルペダルを戻すと回生(発電)が始まり、エンジンブレーキのような減速になる。アクセルペダルだけの操作で車速を調整できる、ワンペダルドライブも可能。前後輪独立したモーターを持つ4WDも発表された(今年度中に発売)。

三菱・エクリプス クロス(PHEVモデル)

クーペのようなスタイリッシュSUV《三菱・エクリプス クロス》には、外部充電可能なプラグインハイブリッド車(三菱ではPHEVと呼ぶ)が追加された。

アウトランダーPHEVで実績のあるツインモーター式の4WDを搭載。三菱が得意とする4WD技術に高応答・高精度という電動車の特性を活かし、車両挙動を高次元で制御。路面変化に即応できる安心ドライブを可能にした。また、外部充電によりバッテリーをフル充電に近い状態にすれば、モーターだけによるEV走行も可能だ。

マツダ・MX-30

同じくSUVでも、内外装デザインに心地よさや温かみを前面に出す《マツダ・MX-30》は、マイルドハイブリッド車。EVも今月に発売が予定されている。

マイルドハイブリッド車は、ガソリンエンジンの効率の悪い状況で、モーターが駆動力を補い燃費向上を図る。EVが加わることで、ニーズに合った環境ユニットを選ぶことができる。

スズキ・ハスラー

一方、軽自動車はガソリンエンジンのみの設定が中心だが、電動車も増えつつある。その一つ、人気クロスオーバーSUVの《スズキ・ハスラー》は、全車がマイルドハイブリッド車。主に減速時のエネルギーを電気に変えて電池に貯め、要所要所でエンジンをアシストし、燃費性能を高める。

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