コンパクトカーからSUVまで続々…2020年に登場した新型車を振り返る

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■トヨタ・RAV4 PHV

6月8日発売。19年に発売されたRAVに追加されたプラグインハイブリッドモデル。ベースとなるのはRAV4のハイブリッドだが、フロントモーターを変更し高出力化。RAV4ハイブリッドのシステム出力163kW(222ps)に対して、PHVでは225kW(306ps)を発揮、パワフルな走りを実現している。EV走行距離も95kmと長く、日常の移動の大半はEVのみでも可能なほどだ。大容量バッテリーを搭載するが、居住スペースはRAV4ハイブリッドとほぼ同等としているのも素晴らしい。

価格は469万円からとちょっと高いが、補助金も併せれば、それほど割高感もない。

と、いいことづくめのRAV4 PHVなのだが、それだけに人気が集中し、バッテリーの供給が間に合わないことからあっという間に受注が一時ストップ。一刻も早い受注再開が待たれるところだ。

 

■ダイハツ・タフト

6月10日発売。個性的なスタイルの軽クロスオーバーで、タント、ロッキーに続く新世代のクルマづくり「DNGA」第3弾として登場した。

キャスト・アクティバの実質的な後継車となったが、SUVらしさの薄いキャストに対して、タフトはスクエアボディと高い最低地上高、大径タイヤの採用でSUVらしさを強調。さらに前席上の大きなガラスルーフや、ダイハツ初の電動パーキングブレーキを採用するなど、装備も充実している。

これまでこのジャンルはスズキ・ハスラーが孤軍奮闘という状態だったが、タフトが加わったことで選択肢が増え、今後もますます市場の活性化が期待されるところだ。

 

■トヨタ・ハリアー

6月17日発売。4代目となった新型は、TNGAプラットフォームを採用し、走りの質感を大きく向上。もちろん内外装のプレミアム感もより高められ、上質な都会派SUVとして登場とともに大ヒットとなった。

調光パノラマルーフや前後方録画機能付きのデジタルインナーミラーなど先進装備も満載。人気のミドルクラスSUVの中でも別格の王道を行く最新モデルといえるだろう。

 

■日産・キックス

6月24日発売。エクストレイルの下に位置するCセグのコンパクトSUV。ジュークの実質的な後継車となるが、個性派SUVのジュークに対し、キックスは正統派SUVスタイルを採用しているのが大きな特徴。パワートレーンはe-POWERのみというのも話題となった。

生産がタイということもあり、納期が長引いたのが難点だったが、秋以降は徐々に改善しつつある。スタートダッシュで若干つまづいた感はあるが、これからが本領発揮というところ。使い勝手も不満のない実力モデルだけに期待されるところだ。

 

■トヨタ・ヤリスクロス

8月31日発売。車名をみればわかる通り「ヤリス」のSUV版だが、外観デザインはヤリスと大きく異なる独自のスタイルとしている。

キャラクターとしてはパーソナルユース向けの都会派SUVで、トヨタのラインナップとしてはハリアーの弟分的な位置付けとなる。が、ガソリンの4WD車には「マルチテレインセレクト」機能を搭載するなど、本格的な4WDシステムを採用しており、侮れないオフロード性能も備えている。

人気のコンパクトSUVであり、さらに評価の高いヤリスがベースとなって売れないわけがない。発売以来トップクラスの人気となっているが、それも納得だ。

 

■トヨタ・GRヤリス

9月4日発売。「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想で開発されたコンパクトスポーツ。ベースとなるのはもちろんヤリスだが、軽量かつ剛性に優れた3ドアハッチバックのボディを採用、加えてエンジンフードやバックドア、ドアパネルにはアルミ素材を使用、ルーフはカーボン製とするなど、専用設計となっている。最高出力272psのハイパワー1.6L直3エンジンと新開発のスポーツ4WDシステムを搭載する「RZ」の他、1.5L直3ダイナミックフォースエンジンを搭載し気軽に楽しめる「RS」グレードも設定されるなど、ラインナップも充実している。

 

■マツダ・MX-30

10月8日発売。マツダ初の量産ピュアEVとして発表されたモデルだが、発売は2Lマイルドハイブリッド仕様が先行。EV仕様は21年1月発売の予定だ。

プラットフォームをCX-30と共用するクロスオーバーSUVだが、観音開きのドアを採用するなどデザインは大きく異なり、個性的なクーペSUVとして仕上られている。

 

■ホンダ・Honda e

10月30日発売。都市型コミューターとして開発された、キュートでコンパクトなピュアEV。5つのスクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルを採用するなど、未来感に満ちた室内は小型ボディながら広く、快適性も高い。外観は可愛らしい印象だが、実際に走ってみるとカッチリしたステアリングフィールと、力強い加速感に驚かされる。スポーティな走りにも応えることが可能な本格派である。

一充電走行距離(WLTCモード)は、標準仕様で283km。都市型コミューターとして不満のない実力車だ。

 

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