ランボルギーニ「ディアブロ」誕生30周年 1990年~2001年まで生産された全2,903台の歴史を振り返る

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ランボルギーニのスーパースポーツカーの歴史の中で、最もアイコニックなモデルとして挙げられる「ディアブロ」が、1990年1月に発売されてから今年で30周年を迎えた。

 

「ディアブロ」の物語は1985年に始まり、ランボルギーニのラインアップの頂点にあった「カウンタック」の後継モデルとなることを目指し、当初は「プロジェクト132 」というコードネームで呼ばれていた。無駄のないアグレッシブなラインは、Marcello Gandini(マルチェロ・ガンディー二)によるプロジェクトに、当時アウトモビリ・ランボルギーニの主要株主となったクライスラーのデザインセンターが一部手を加えて生まれた。

 

最高速度325km/hを実現し、公式に世界最速市販車として認められていた「ディアブロ」は、デビュー初日からファンから高い評価を受けており、圧巻のパフォーマンスはラリーチャンピオンのSandro Munari(サンドロ・ムナーリ)の協力を得て開発された。

 

「ディアブロ」は、ランボルギーニ伝統の12気筒エンジンを搭載し、縦置きミッドシップの5.7リッターエンジンには4本のオーバーヘッドカムシャフトと各気筒4本のバルブを備え、電子制御のマルチポイントインジェクションによりエンジン出力485hp、トルク580Nmを発揮。レザーのインテリアに、エアコン、パワーウィンド、パワーシートを完備した贅沢な仕立てでありながら後輪駆動のみのハードでピュアなモデルであり、電子的な運転支援機能やパワーステアリングは1993年まで装備されていなかった。

 

1993年、ランボルギーニ初の4WDグランツーリズモとなる「ディアブロVT」が登場。「VT」では同時に数々の技術的な改良やスタイリングの変更も加えられ、その後2WDモデルにも採用された。1993年にはランボルギーニ設立30周年を記念し、523hp に出力アップされたスペシャルエディションの「SE30」も発表された。1995年のジュネーブモーターショーでは、最高出力510hp 、調整可能なリアウィング搭載の2WDモデルの「ディアブロSV」がデビューし、同年12月には「ディアブロVTロードスター」がデビューした。12気筒エンジン搭載のランボルギーニ初の市販オープンカーで、ラインに若干の変更を加えた4WDモデルとなる。

 

1999年、アウディ・グループによるアウトモビリ・ランボルギーニの買収後、ランボルギーニ初の社内デザイナー、Luc Donckerwolke(ルク・ドンカーヴォルケ)による「スタイリング変更」が施された。「VT」と「VTロードスター」の系譜をたどる「SV」は他の2モデルと同様に、変更されたラインやインテリアに現代的な気風を明確に感じさせる。技術的には出力529hp、トルク605Nmとなったエンジンに可変バルブリフト機構を備えるほか、ランボルギーニとしては初めてブレーキにABSが装備された。

 

「ディアブロ」は、6リッターエンジン搭載のレース用の特別モデルシリーズも発売し、合計2,903台が生産された。当時は生産台数の最も多いモデルで、後継の「ムルシエラゴ」 が登場する2001年まで発売された。

 

<「ディアブロ」各モデル生産台数>

  • ディアブロ:1990年-1998年、873台
  • ディアブロVT:1993年-1998年、529台
  • ディアブロSE:1993年-1994年、157台
  • ディアブロSV:1995年-1999年、346台
  • ディアブロVTロードスター:1995年-1998年、468台
  • ディアブロSVR:1996年、34台
  • ディアブロGTR:1999年-2000年、32台
  • ディアブロ6.0:2000年-2001年、337台
  • ディアブロ6.0SE:2001年、44台
  • ディアブロGT:1999年-2000年、83台

 

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