パイオニア、MEMS ミラーを採用したソリッドステートタイプ「3D-LiDAR」の量産を開始

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パイオニアは12月10日、同社の連結子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ(以下、PSSI)が、2020年11月下旬より3D-LiDAR 「1st Model」の近距離タイプ(Short Range)の量産を開始したと発表した。

 

「1st Model」は、長年にわたりパイオニアが培ってきた光ディスクプレーヤーなどのレーザー関連技術や、カーナビゲーションをはじめとする車載製品の開発・製造ノウハウと、キヤノン株式会社が保有する光学レンズ技術を融合し、高性能かつコンパクトサイズを実現。MEMS(微小電気機械システム)ミラーと同軸光学系方式を採用したソリッドステートタイプの本機は、高速スキャニングで高精細な点群データを取得することができ、スキャニング範囲内の障害物を高い精度で検知することが可能。自動運転バスや中低速モビリティにおいて、前方および死角の歩行者、自転車などを高精度に検知できるほか、道路の固定設備やセキュリティモニタリング用のセンサーとして、プライバシーに配慮しつつ障害物や異物、侵入者などを高い精度で検出する。

 

さらに、ハードウェア(3D-LiDAR)とともに開発している「ノイズ除去」「物体検知・認識・トラッキング」などのソフトウェアと組み合わせ、「物体検知・認識・トラッキング」「3次元データ生成・変化点抽出」ソリューションとして提供することが可能となっている。

 

<主な特長>

① MEMS ミラーを採用したソリッドステートタイプで小型化を実現

1つのレーザーダイオードと1つの受光素子で構成するMEMSミラー方式と同軸光学系方式の採用により、部品点数を削減し、小型化(775cc)を実現している。2021年1月に量産開始を予定している中距離タイプの3DLiDAR(Medium Range)との組み合わせにより、多様なニーズに対応することが可能。

②高速スキャンで高密度・高精細な点群データの取得が可能

MEMS ミラーを用いたラスタースキャン方式の採用により、スキャニング範囲を高速で隙間なく、高い解像度で検知し、高密度・高精細な点群データを取得することが可能。

③独自のソフトウェアとの組み合わせにより、高精度な物体検知・認識が可能

本機で取得した高密度かつ高精細な点群データを、パイオニアが長年培ってきた光学技術・信号処理技術を用いた独自のソフトウェアと組み合わせて処理することにより、反射強度の弱い物体の検知・認識に加え、雨天時や降雪時などの環境においても高精度な検知・認識が可能。

④国内生産ならではの高品質

車載機器の国内開発・生産拠点であるパイオニアの川越事業所に、3D-LiDAR 専用の生産ラインを新たに設け、生産から品質管理までを一貫して実施。国内生産拠点において、車載向けの厳しい品質要件をクリアすることで、高品質とともに安定した商品供給および商品サポートを実現している。

 

<主な仕様>

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