英ジャガー・レーシングは11月27日（現地時間）、ABB FIA フォーミュラE世界選手権シーズン7開幕に向け、フルバッテリー電気自動車（BEV）の新型レーシングマシン「I-TYPE 5」を発表、披露した。
「I-TYPE 5」のパワートレインにおいては、エンジニアたちが効率化の向上、さらなる軽量化、低重心化に注力して開発に取り組んだ自社開発の新型パワートレインを搭載。新型サスペンションでは、各地のサーキットに適応するため調整範囲を拡大し、インバーターの効率を高め、スイッチングスピードとパフォーマンスも大幅に向上させている。最新技術を用いたインバーターには、導電性の高い24金を使用した。
「I-TYPE 5」のステアリングを握るのは、2016年からドライバーを務めているミッチ・エバンスと今シーズンから新たに加入したサム・バードの2人となる。
また今シーズンから、自動車業界において100年以上の経験を持つ世界有数の素材科学会社Dowを新たにオフィシャル・パートナーに迎え、同社が持つMobilityScienceTM プラットフォームや、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル、特殊化学品、シリコーン技術を通じて、素材に関する専門的知識とパイオニア精神をジャガー・レーシング・チームに提供する。
さらにジャガー・レーシングは、Polo Ralph Laurenと協力して、最先端のイノベーション、サステナビリティという共通の価値観を提示する。リサイクルされたナイロン、ポリエステル、ダウンの代替素材である断熱材で作ったPolo Ralph Laurenのカスタム・デザインのパッカブル・キルトジャケットに、ジャガー・レーシングのロゴを配したものを着用し、新シーズンに挑む。
シーズン7の開幕に際しジャガー・レーシングは、新たに「TYPEFIBRE」というサステナブルな新素材を使用し、「I-TYPE 5」にこの素材を使用したシートのプロトタイプを採用した。これは、チームが掲げるミッション「Race to Innovate」の一環として取り組んだもので、今後世界中のさまざまな温度変化や負荷のかかる環境下でテストを実施する。レースで培った最新のテクノロジーによるベネフィットを市販車にも共有して将来的にジャガーのカスタマーにも提供していくことを目指していくと述べている。
