トヨタモビリティ東京、世田谷区と包括連携協定を締結し、移動支援サービスの実証運行を開始

all 業界ニュース

トヨタモビリティ東京(片山守社長)は11月18日、世田谷区(保坂展人区長)と地域の活性化を図ることを目的とした「包括連携協定」を締結した。同日、この協定の一環として、区内の公共交通不便地域である喜多見・宇奈根エリアで実施される移動支援サービス実証実験の出発式も行われた。

移動支援サービスのスタートを記念したテープカット

この協定は、“区民の移動に関する事”をはじめ“防災及び危機管理”“スポーツ推進”等を対象とする。中でも区民の移動に関して保坂区長は「区内には、鉄道やバス路線が繋がっていない交通不便地域があり、高齢者は普段の買い物も難しい場合がある」と話す。

この交通不便地域には新たな移動手段として、外出支援ワゴンと通勤支援ワゴンの2種類のサービスをトライアルで実施する。
外出支援ワゴンは、モネテクノロジーズが提供するアプリ「モネバス予約」から乗車予約ができ、日中の時間帯の予約に応じて商業施設や医療機関等に移動することできる。

通勤支援ワゴンは、通勤時間帯に自宅付近のステーションから既存バス停付近(鎌田バス停・下宿バス停)を複数回往復する。どちらも喜多見・宇奈根エリアで実証運行し、有効性や持続可能性を検証する。

使用される車両はハイエースグランドキャビン(10人乗り)をベースに、室内の快適性を高める専用架装が施されたもの。
新型コロナウイルスの感染予防対策として、室内は抗菌防臭チタニアでコーティング。さらに、空気循環用の換気扇を天井に装備。座席は、革調のシートカバーが装着され利用後の除菌作業もしやすくなっている。この他、乗降口付近に傘立ての配置やシートの後ろに上着を掛けられるハンガーパイプの装備、LED照明の追加等、利便性を高めた。

なお、この実証運行はトヨタモビリティ基金の助成事業に採択され、20年度は無償で行い、21年度には総合支援サービスとして有償化も検討されている。

同社の片山社長は、「今回の移動手段を伴った生活サービスを当社の社員が主体となってやるというのは東京都内で初めての試み。地域の方々とトライアルし、ぜひ成功して地域に貢献したい」と意気込みを語った。

この他、協定内容の“防災及び危機管理”については、区内にある同社16店舗のうち5店舗に非常用貯水機能付き給水設備マルチアクアを年内に設置する予定だ。同社は移動支援サービス以外にも、官民連携で区民の生活をサポートしていく。

Tagged