アルプスアルパイン、ブロックチェーンを活用した社有車管理・デジタルキーシステムを開発

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アルプスアルパインは11月12日、車両の予約申請や整備記録、鍵の受け渡しなど、社有車管理に伴う各種作業全てをシステム上での一元管理が可能で業務効率の向上を実現する、社有車管理・デジタルキーシステムを開発したと発表した。11月よりサンプル提供を開始しており、現在は実証実験を通じて市場調査を進めている。

 

社有車の利用はフレキシブルな移動を可能とするとともに、公共交通機関の利用を回避できるため、便利なだけでなく新型コロナウィルス感染防止においても有用となる一方、その管理においては、未だに多くの企業が車両の利用申請や整備記録を紙や表計算ソフトで行っており、その煩雑さが課題となっている。また、車両を利用するためには物理的な鍵の受け渡しが必要となるため、管理担当者のみならず車両利用者の業務効率低下にもつながっている。

 

今回開発した社有車管理・デジタルキーシステムでは、独自開発のアプリを用いることで、各自のスマートフォンから予約申請や鍵の受け渡し、車両の開施錠ができるため、時間や場所に捉われない効率的な社有車利用を実現。また、独自の管理コンソールにより、車両の予約・運行・点検状況などを管理担当者のPCやスマートフォンで一元管理が可能となっている。管理者と利用者双方の手間を減らして、社有車の効率的かつ快適な運用を実現するとともに、ペーパーレス化によるコスト削減、環境負荷の低減にも貢献する。

 

さらに、アルプスアルパインが提供するデジタルキーシステム(スマートフォンを用いて車両の開施錠を実現する技術) では、業務提携を結ぶフリービット株式会社との共同開発により、世界中に点在する不特定多数のユーザーがデータを分散管理し、改ざんを困難にする仕組みである“ブロックチェーン”を活用した鍵配信技術を採用。これにより、同システムにおいて課題視されている不正アクセスおよび情報改ざんのリスクを排除することで、安心して利用できる仕様を実現した。

 

同システムは、アルプスアルパインが長年培ってきた、車載市場における通信技術やシステム構築力を生かすことで、デジタルキーシステムとそれに対応する車載器のほか、ドライバー向けの予約申請・開施錠アプリや、管理者向けの予約受付・運行・点検状況管理を行うWebシステムまで、一つのパッケージとして一括提供が可能で、既に利用している車両への後付けも可能な取付性を配慮した構成としているため、カスタマーの導入コストを低減するとともに、現状復帰が求められるリース車にも適している。

 

同社は今後21年度中の販売開始を目指して、自社社有車を用いた実証実験や一部のカスタマーへのサンプル提供による市場調査を進めるとともに、社有車管理以外でのデジタルキーシステム活用ニーズを探ることで、新規市場の開拓を図ると述べている。

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