走りの進化をサーキットで体感!新型レヴォーグ(プロトタイプ)試乗記

試乗レポート

10月の正式発表を予定している新型レヴォーグ。8月から開始された先行予約も、予想以上の予約が集まっているとのことで、好調なスタートとなりそうだ。

そんな新型レヴォーグだが、今回はプロトタイプカーをサーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)で試乗。その走りを体感してみた。

滑らかかつ上質な走り。新型レヴォーグの走りは実に心地よかった

今回の試乗では、新型レヴォーグ2台(STI Sport、GT-H)と現行レヴォーグの3台を同時に乗り比べ。おかげで、はっきりとその違いを確認することが出来た。

まずは新型から試乗。現行レヴォーグとの違いは、最初の一踏みからハッキリとわかる。現行レヴォーグは加速の立ち上がりまでやや間があるのに対して、新開発の1.8Lターボを搭載する新型は低回転域から素早くトルクが立ち上がり、そのまま力強く直線状に加速していく。出足のモッサリ感がないのでストレスを感じない。また低速コーナーからの立ち上がり、またストレートでの再加速時もスムースで走りが心地よい。全域でトルクが厚くなり、走りにも余裕が感じられる。

新開発の1.8Lターボエンジン。全域でトルクが向上しており、扱いやすい

また現行モデルでは加速時にややガサついたようなノイズが感じられたが、新型では余計なノイズは感じられず、質感という点でも満足できる。ストップ&ゴーが連続する一般道なら、なおさらその恩恵が感じられそうだ。

足回りのしなやかさやボディの剛性感も特筆できる部分。特に低速コーナーでその真価がハッキリと感じられる。フロントの動きに対してリヤの動きが遅れる印象の現行モデルに対し、新型ではリヤがきれいに追従し、動きに無理がない。曲がりたがらないクルマを無理やり曲げるような感覚の現行に対して、新型は力を入れることなく、ごく自然にクルマが曲がってくれる印象だ。唐突な動きがないので、安心してドライブすることが出来る。カッチリとしたボディにしなやかな足回り、とよく言われるが、新型はまさにその通り。現行モデルも決してフニャフニャしているわけではないのだけれど、ボディ剛性は現行に対して約44%も向上しているというから体感できるのも納得である。

視界の広さもドライビングのしやすさにつながっている

ステアリングやブレーキなど、操作系のフィーリングも大きく進化している。ステアリングは切り始めから雑味がなく、極めてクリア。またブレーキもカッチリとしており、不安がない。現行モデルも単体で見ると悪い印象ではないのだが、比べてしまうと若干ながら雑味が感じられてしまうのだ。

STI Sportには、新たにドライブモードセレクトが搭載されたのもポイントだ。これはSI-DRIVEに加え、パワステやダンパー、AWDなどの特性を変えることによって、快適性重視のコンフォートから、スポーツ性重視のSPORT+まで一気に性格を変えるというもの。これなら日常の快適性を犠牲にせず、いざという時はスポーティな走りも楽しめる。スポーティなクルマは乗り心地が悪いから嫌、という家族もこれなら説得しやすいはずだ。なのだが、路面が綺麗に整備されたサーキットでは、その差がちょっとわかりにくかった。というのもコンフォートモードはもちろん、SPORT+でも乗り心地が非常にいいのである。もちろんパワーの出方は異なるものの、コンフォートモードでもしっかりと力強く走ってしまうし、ステアリングの感触も緩すぎるということもない。この辺りの違いは少し荒れた路面の方が分かりやすそうだ。公道での試乗で確認したい。

ドライビングモードはステアリング上のボタンで瞬時に切り替えができる

そんなわけで、まだまだすべての実力を確認できたわけではないのだけれど、新型レヴォーグの走りの良さには、大いに期待できそうだ。新旧で車格自体は変わらないのだけれど、走りの上質感は大きく進化しており、スバルのフラッグシップにふさわしい内容となっている。現行レヴォーグから乗り換える人はもちろん、欧州プレミアムワゴンを検討している人も、ぜひ試乗して欲しい。正式発売が待ち遠しいところだ。(鞍智誉章)

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