ジャガー・ランドローバーとケンブリッジ大学は、7月28日、ドライバーのわき見運転防止だけでなく、ポストコロナの世界における細菌やウイルスの拡散防止にも効果が期待できる、新たな非接触式のタッチスクリーン技術を開発したと発表した。
「Predictive Touch(予測タッチ)」として知られるこの特許技術は、人工知能(AI)やセンサーを活用して、GPSナビゲーションや温度管理、エンターテインメントの設定などを、スクリーンに直接触れることなくインフォテインメントシステムの操作が可能となっている。
ジャガー・ランドローバーは、各国のロックダウン(都市封鎖)が解除された後の「ニューノーマル」においては、これまで以上に安全でクリーンなモビリティに重点が置かれ、パーソナルスペースや衛生習慣が重視されるようになり、すでに自社の車両には、ドライバー・コンディション・モニターやエンジンノイズを消すための機能、目に見えない微粒子やアレルギー物質を除去するPM2.5フィルター付きイオン空気洗浄テクノロジーなど、車内の快適性を向上するためのさまざまな設計を施しており、さらに、今回の「Predictive Touch」のような新技術によって、モビリティサービスへの接続からProject Vectorのように、都市の中で自律性に優れた完全統合型の車両を実現するために必要なインフラまで、モビリティの幅広い側面に対処できるようになると述べている。
また、ラボテストおよび路上での実証実験の結果、「Predictive Touch」技術は細菌やウイルスの拡散を抑制すると同時に、ドライバーがタッチスクリーンを操作する手間や時間を最大50%削減できることが明らかとなったほか、路面に凹凸がある場合や路面状況が悪い場合、車体の揺れによりタッチスクリーン上での操作が困難になることがあり、その場合ドライバーは、操作する為に道路から注意を逸らさざるを得ないため、事故を起こす危険性が高まるが、「Predictive Touch」では、AIを活用してドライバーがスクリーン上で選択しようとしているアイテムを指差すと、触れない間にいち早く判断して応答時間を早めるなど、ユーザープロフィールやインターフェースデザイン、環境条件などのコンテキスト情報と、視線トラッカーなどの別のセンサーから入手できるデータとを組み合わせて、ユーザーの意図をリアルタイムで推測することが可能となっていると説明している。