【2020年・春版】各社のオールシーズンタイヤ一覧

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冬ドライブの必需品がスタッドレスタイヤ。しかし、ここ数年、スタッドレスタイヤに代わり人気が高まっているのが「オールシーズンタイヤ」だ。年2回の履き替えの必要が無いことに加え、タイヤの保管場所や履き替えの費用も発生しない。そのコスト面を抑えられる点がユーザーから注目を集めている大きな理由だ。

しかし、一言にオールシーズンタイヤといっても性能にはばらつきがあり、使用環境に合わせた選択が必要だ。今回は、各社から発売されているオールシーズンタイヤの特徴を紹介しよう。

夏タイヤと冬タイヤ、オールシーズンタイヤの特徴

そもそも一般的に使用される主なタイヤには、夏タイヤ(ノーマルタイヤ)と冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)、そしてオールシーズンタイヤの3種類がある。夏タイヤは、新車のほぼ全てに標準装備されているノーマルタイヤのことで、ウェット路面での排水性には優れているが雪道や凍結路では性能を発揮できない。

燃費を向上させるために路面との摩擦を抑えて転がり抵抗を少なくし、少ないエネルギーでも多くの距離を走行できるように設計されているため、摩擦の少ない雪道や凍結した路面ではグリップ力が弱まりスリップしてしまうからだ。

一方、スタッドレスタイヤは雪道や凍結した路面でも安定した走行を可能にするため低温に強い特殊なゴム(コンパウンド)を使用。これにより、柔らかいコンパウンドとなり低温時でも夏タイヤと比べ硬くなりにくい。さらに、タイヤ表面(トレッド面)のブロック構造により、雪上路では雪を踏み固めながら、氷上路ではゴムが低温下でくっつこうとする凝着摩擦力などを利用し、駆動力や制動力を生み出している。

なお、ゴムが柔らかく路面に多く密着するためタイヤが転がる力に対して路面の抵抗が大きくなり、夏タイヤと比べると燃費性能が悪くタイヤの減りも早い。

この夏タイヤとスタッドレスタイヤの中間に位置するのがオールシーズンタイヤである。夏タイヤよりも雪上性能が高く、スタッドレスタイヤよりもドライ路面での性能に優れているのがその特徴だ。つまり、両方のイイトコ取りといえる。

しかし、それぞれに比べると中途半端な一面がある。特に冬タイヤとしての性能は注意が必要だ。

オールシーズンタイヤは、浅雪や圧雪路、シャーベッド状の雪であればスタッドレスタイヤに近い性能を発揮するものが多い。だが、路面が凍結したアイスバーンではスタッドレスタイヤとの性能差が大きいのが現状だ。凍結路重視で性能を向上させたスタッドレスタイヤであっても滑るのだから、オールシーズンタイヤに過度な期待は禁物である。

雪国や寒冷地に住んでいる人や、スキー・スノーボードのシーズン中によく滑りに行くという方は雪上・氷上性能に特化したスタッドレスタイヤがおすすめだ。一方で関東以西、特に太平洋側で雪は年に1~2回程度しか降らないという地域なら、オールシーズンタイヤでOKだろう。

雪路での性能を証明する二つの刻印

具体的にオールシーズンタイヤを選ぶ上でのポイントとして、まず確認してもらいたいのがタイヤ側面(サイドウォール)に刻印されているスノーフレークマークだ。

これは、寒冷地でも十分な性能を発揮するタイヤの証明となる欧州公式の認証マーク。刻印されていることにより、高速道路で「冬用タイヤ規制」が実施されていても走行が可能となる。しかし、より路面状況が悪化した時に出される「全車両チェーン装着規制」下では、チェーン装着が必要となるので注意して欲しい。

スノーフレークマーク(右)とM+Sマーク

さらに、「M+S」(MUD+SNOW)の刻印もあるか合わせて確認したい。これは、ラジアルタイヤのトレッドパターンを雪路などでも走行できるようにアレンジしたもので、泥やぬかるみ(MUD)、雪、積雪(SNOW)を走行できることを意味している。

この二つの刻印と合わせて、コンパウンドやトレッドパターンによる雪上性能をはじめ、ドライ性能、ウェット性能、耐摩耗性能など、個々の商品ごとの特徴を確認しよう。

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