高級SUVの先駆け まもなく発売のトヨタ・ハリアー 新型と旧型の違い

コラム・特集

高級クロスオーバーSUVというジャンルを開拓し、今のSUVブームの先駆けとなったトヨタ・ハリアー。6月に新型となる4代目が発売予定で、先日そのデザインが公開された。そこで今回は、3代目のハリアーと新型の4代目を比較し、どのような進化を遂げたのかレポートする。

ボディサイズは以下の通りで、4代目は全長、全幅は拡大しながら全高は低くなり、ロー&ワイドなスタイルと、クーペのような流麗なフォルムに一段と磨きがかけられた。


3代目:全長4725mm×全幅1835mm×全高1690mm
4代目:全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm

3代目まではフロントグリルにタカの一種であるチュウヒがモチーフとなっているハリアー独自のエンブレムが与えられていたが、4代目ではトヨタエンブレムに変更。グリル下部とロアグリルにメッキを配し、L字型に光るシグネチャーランプがシャープな印象を引き立てている。

リアは、水平基調のテールランプデザインは先代から継承しているが、灯火面がより細いデザインとなり、フロントと合わせてリアもシャープな印象が高められた。一方で、全幅が拡大されるとともに、左右への張り出しが強調されたホイールハウスによって、SUVらしい力強さも表現されている。

サイドビューは、フロントの長いオーバーハングは3代目と大きく変わらないが、よりロングノーズなデザインが強調されている。さらに、シンプルな面構成であった3代目に対して、4代目では下部からリアのテールランプまで流れるようなキャラクターラインが与えられ、高級感を演出している。

▪️ラグジュアリーインテリアに磨き トヨタ初採用の機能も

従来から上質な雰囲気を漂わせていたインテリアは、「馬の鞍」をイメージしたという立体的なセンターコンソールが目を引く。ナビのディスプレイは従来のインストルメントパネル一体型(9.2インチ)から、ワイドな12.3インチディスプレイとなり、インパネ上部に浮き上がるように設けられた。さらに、ディスプレイ下部にスイッチ類を集約することで、スマートな見た目と使いやすさを両立したデザインとしていることも特徴だ。

なお、車載通信器(DCM)を標準装備し、コネクテッド機能も備える。

ダッシュボードやドアトリムなどもソフトパッドに覆われ、曲木に着想を得た「ウッド調加飾」やつなぎ目部分にアクセントを加える「パイピング加飾」を随所に配し、上質感を演出している。

また、調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフをトヨタ車で初採用。調光時には、障子越しのような柔らかい光が差し込む上質な空間を醸し出すとともに、和のテイストも取り入れられた。

さらに、デジタルインナーミラーは走行中に後方映像を映すだけではなく、前後方向の映像が録画が可能となっており、トヨタ初採用のものとなっている。

▪️走りや安全装備も大きく進化

プラットフォームは、RAV4と同様にトヨタの次世代プラットフォーム「GA-K」を採用。パワートレーンは3代目と同様にガソリンとハイブリッドを設定するが、ガソリンは2.0Lターボが無くなり、2.0LのNAのみとなった。細かな味付けは異なるだろうが、基本的にはRAV4と同様の設定となった。

3代目に設定されていた2.0Lターボエンジンは新型では設定されていない

ハイブリッドは、2.5L 直列4気筒ダイナミックフォースエンジンとハイブリッドシステム(THS II)を組み合わせ、最大出力178ps/最大トルク221Nmを発揮。新型では、ハイブリッドにE-Four(4WD)の他に2WD(FF)モデルを追加し、選択肢が広がっていることもポイントだ。

ガソリンモデルは、2.0L 直列4気筒ダイナミックフォースエンジンにDirect Shift CVTを組み合わせ、最大出力171ps/最大トルク207Nmを発揮。駆動はFFと4WDを設定している。

加えて、ガソリンモデルの4WDには「ダイナミックトルクコントロールAWD」を標準装備するものの、RAV4の上位グレードに採用されていた「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は非搭載。これは、オフロード性能を追求したRAV4と、都会的でラグジュアリーなハリアーというキャラクターの違いによるものと考えられる。

先進安全装備も大きく進化。トヨタセーフティセンスは、プリクラッシュセーフティは夜間の歩行者・昼間の自転車運転者を検知対象に追加・さらに、高速走行中車線維持をサポートするレーントレーシングアシストや全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールも装備し、長距離や高速道路の運転などをサポートする支援装置も充実している。

Tagged